振り向いて向き合って(おまけ)
物語未満のただのおまけです。会話文しかないので読み辛いです。
●数年後の二人
「しゅうくんんー」
「はいはい、アキちゃんちょっと呑みすぎ。次からはもっと気をつけないと、身体壊しちゃうよ?それに今日は僕が迎えに行けたけど、変な男の人が下心持って送ろうとする事くらいアキちゃんなら分かってるでしょう」
「うぅうーーらってぇー、らって、ねぇ、わかってんでしょーねーぇ」
「ん?何を?」
「わーしはねぇ、わらぁしのがずっとねぇー、しゅーくんよりずーっとわぁしのがしゅーくんのことすきなんだからねぇー!わかってんのー?わあってないでしょー」
「…………そうだねぇ、アキちゃんは凄く僕の事が好きだねぇ」
「でしょー?そーなんやよ、だいすきなの、わたぁしがこのよでいちばんしゅーくんあいしてるの!」
「…………」
「それをねぇー、ぁいつら、わたしがしゅーくんをもてあそんでぅとか、しゅーくんはじみでつりあわなーとか、かってなこといいやがってぇ!しゅーくんほどすてきになっぇからものいえや!!」
「……酔ってるアキちゃん凄い可愛いなぁ」
「んんん?わらしがかわいいのはとーぜんでしよー、それをさー、しゅーくんはいつもいつもなーんでさらっと言うかなー?しゆーちしんをもってたいおーしなさい!わたしがはずかしーれしょー?」
「つい口に出したくなる程可愛いから仕方ないよ」
「だからあーー!そーゆーとこらんらよー、もーやらこのひとぜったいてなれてるんだ、いっぱい女の子はべらしてうらでよろしくやってるんだぁー!」
「ええ!?そんな事考えてたの?アキちゃん以外にいないに決まってるよ。そもそも僕別に手慣れてもいないし」
「うそだもん!たらしだもん!」
「いやいや、本当に。地味で普通な僕を好きって言うのなんてアキちゃんくらいだよ?」
「うそらあーうそつきぃー、うわああん」
「アキちゃん……。わかった、そうだね。
アキちゃん、結婚しようか」
「…………ん?」
「とりあえず同棲しよう。元々殆どどっちかの所で泊まってたから余り違和感は無いんじゃないかな。一緒に生活してれば女性の影なんてないって直ぐにわかるだろうし」
「……………へ?」
「仕事も落ち着いてきたし、アキちゃんがこれ以上会社の人に狙われ続けても困るし、まぁ丁度いいか。じゃあ僕挨拶に行くから、ご両親に都合のいい日聞いてくれる?」
「…………へ、あの、修く……」
「仕事を続けるかどうかは任せるよ。楽しそうにしてるし、無理に辞めろとは言わないから、同棲期間中に考えてね」
「ま、待って修一くん!?」
「どうしたの?」
「え、え、あの、だって、け、けけ結婚とか」
「うん。だってアキちゃん何故か僕の事遊び人だと思ってるし。身を固めれば信じてもらえるかと」
「えええ!?そ、それは何というか色々と順序がおかしいというか何というか」
「……嫌なの?やっぱり僕じゃ駄目?」
「ええええ!?い、いやというかさ……!」
「……」
「………………私で、いいんで、しょうか」
「アキちゃんが、いいんです」
「……………………ふふふ」
相変わらずちょろい

●腹黒い人々
「なぁ、どうせ遊んでんだろ?あんな地味な奴で満足できるような奴じゃないだろお前は」
「……あんたが、私の何を知ってるわけ?
てか、旦那が居なかったとしてもあんたみたいな仕事の出来ない奴とは生まれ変わっても無理」
「なんだと!?何様のつもりだテメェ」
「狩屋アキ様に決まってんでしょ」
「あ、かわのサマが変なのに絡まれてる。修一助け……こわっ顔こわっ!」
「こんなに一途な子を浮気性呼ばわりとは……あなたは一体この子の何を見ているんですか?」
「は?何かと思ったら金ヅルじゃねぇか。どうせこの女に騙されて貢がされてんだろ、あーあやだねぇ顔の悪い男は損だ」
「…………てめぇ、上司にてめぇのやらかした事全て証拠付きでチクってやる。首洗って待ってな」
「あなたの顔は覚えました。貴社との取引では、倫理観に欠ける対応をしたとして、あなたが絶対に担当にならないように伝えておきますね」
「……は?」
「うわこの夫婦超怖え」
「うう……酔った勢いに任せたせいでとんでもないことに……」
「そうだよな、ちょっと考えが浅かったけど別にそこまで悪い事してないのにな」
「確かに酷い事言った自覚はあるけど、まさか会社までクビになるなんて……」
「そうだな、あの一回でクビとか超怖いよな。触らぬ神に祟りなし、もう二度とあの二人には関わらない方がいいよ。なんならウチで働く?」
「ううう、山賀さん!」
「幽霊氏アフターケアで信者を着々と増やしてるな……恩を売られた奴は裏切りにくいから使い勝手が良いとか大概腹黒だよね彼も」
「まぁ僕らは僕らでやり過ぎちゃうから、フォローして貰うぶんには罪悪感薄れて良いけどね。
…………ん?彼もって他に腹黒な人いた?」
「………………」
彼らの職種が謎過ぎる