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ヒーローはいないけど  作者: パークマン
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あの時を勇者は優雅に話し合う

四谷レイジは勇者である。

勿論これは比喩的表現だ。現実に勇者などいない。

しかし、あの時確かに彼は勇者であった。





俺が勇者と呼ばれる所以、それはここらでぶいぶいさせていた坂谷キバに反抗し、返り討ちにしたからだ。

「しかし、四谷君って凄い人だったんだ。私てっきり、ただの陰キャメガネの癖にでしゃばって、ボコボコにされるかと思ったよ~~」

「おい、ポッドを注いでるティーカップの方を揺らしながら、失礼なことを言うな。高槻、俺は真剣なんだ。邪魔するな」

貴重な昼休みの時間、俺は紅茶を嗜むと決めている。

「そんなこと言って、嬉しい癖に、このドウテイめ~」

「 だから現在進行形で、ズボンビシャビシャに濡れてんだよこの野郎」

ヤーコワーイと棒読みなセリフを吐きながら、高槻は何処から持ってきたか雑巾で、俺のズボンを拭いてく。

「 なんだ気が利くじゃねえか、何処から持ってきたんだ?」

「 さっき鈴木くんが吹いた牛乳の雑巾だよ」

「返してこい!」

全く俺を敬えないのか。こいつは。

「それでどうやって坂谷君倒したの? 彼一応野良だけど、そこそこの解決士だよね?」

高槻が不思議そうに、俺に尋ねる。

「俺も解決士なのは、知ってるよな?」

「うん、聞いたことないギルドの所属見たいだから、実力が低いと思ってたんだけどーー」

そこで、言葉を区切り、

「私自身が実力を確認しようかなって」

その瞬間、彼女の金髪の髪は変形し、鋭利なものとなり、襲い掛かって来る。

俺は焦らず、ティーカップを持ちながら、回避する。

「高槻利子 能力は髪の変形、操作、硬化。 色は黄色。 所属は確かラスキウスのギルドだよな。アトラナート社の」

何故、知っている。驚いた彼女は息を飲む。そして気配が変わる。俺に対する殺意が向けられる。

「まあ待て、順を追って説明する。そもそも俺は"悪魔殺し"と言われる存在だ

悪魔は聖なる武具や特別な術を掛けないと人間には殺すことが出来ない。しかし、そこに例外が存在する、"悪魔殺し"だ。

お前らは分かんないかも知れないが、坂谷キバは魔人だった。

悪魔に魂を売って、仮面を被った負け犬だよ。

俺は魔人の匂いに釣られ、奴を狩るためにこの学校に来た。

だから、入学そうそう下級生の教室まで行って、奴を呼び出し、喰らってやった。魔人の人格を跡形もなくな」

「本来ならお前が受けた依頼かも知れないが、お前じゃあ魔人に勝てない。そこで俺はタイムアタックをするはめになった」

俺は黙って話を聞く高槻に紅茶を一杯入れる。

お茶会の準備はなった。

「俺なら唯一、魔人になった人間を元に戻せるのもあり、ただの喧嘩として、片付けられ、坂谷に恐怖していた人は俺を勇者と持ち上げ、噂を聞いたお前が俺に絡んできた。これが今の状態だ」

「莉子は、まんまと依頼を横からかっさらわれたって訳ね・・・・・・」

昼休みの終わりのチャイムが鳴り終わるまで、彼女は一人紅茶の前に佇み、彼は紅茶を一口して、

「お前は不要なんだよ」




ヒーローも勇者も正義の味方もいない。自分自身が行動しないと、何も変わらない。

ならば、俺が手を貸そう。

偽善だろうと、傲慢だろうと、ハッピーエンドを迎えられるように。

悪魔殺しの名の元に、悪に鉄槌を下すのだ。

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