タロウの日常
タロウは野球部を辞めて太りつつある自分を鏡で見ても、何も思わなかった。元々タロウは憂鬱とは無縁の子供で、ずっと明るく陽気に育って来た。勉強が出来なくても運動がある、と小学校から続けている野球を当たり前のように部活に選んだ。しかし中一の夏、新人戦の二回戦でタロウのエラーによって負けてしまうと、先輩からひどいイジメを受けて野球部を辞めた。
「お前がいなければ勝ててた」
と先輩から言われたが、タロウはそんな言葉にもそれほど動揺しなかった。親に
「誰でもミスはする」
と言われて育ったからだ。
悪質なイジメに発展しそうだったため、顧問から辞めるように言われて野球部を退部した。イジメが起こると顧問としての責任を追及されるため、タロウを辞めさせたのだ。
タロウはそれでも別になんとも思わなかった。むしろ早く帰れて気楽だな、と思っていた。
しかし同じクラスで幼馴染、そしてずっと一緒に野球をやっていたヒューがブチ切れて顧問を殴り、ヒューも退部になってしまった。ヒューは
「あんなとこ辞めて良かった。」
と言った。タロウは嬉しかった。そしていつも放課後に教室に残って漫画を読んでいた、少年と友達になった。
三人はいつも一緒に遊ぶようになった




