クレハ
「なー、クレハ?」
皆各々落ち着いたとき蓮はクレハにある質問をしようとした。
「あ、はいなんでしょうか?」
「どうして俺らの所に来たの?」
「そうですね、助けてくださったのでその恩を返そうと。それに帰る場所もないですからここから新しい生活をと思って。」
クレハはレンの正面に座りじっと目を見て話す。
「そういや、俺ら亜人の事何も知らないな。半人とどう違うの?」
「僕とあいつ半人は別の種族同士で生まれた種族なんですわ。まぁ大半の親が人間ですわ。」
近くにいたフウに聞くとそう言い続けてクレハが話しかける。
「それとは違って亜人は人間の間に生まれた子が偶に別の種で生まれる。…まぁ突然変異体と思ってください。で、私は親に捨てられ捕まったんです。他の亜人の子達は亜人達が集まる集落出身です。」
「クレハも大変な人生だったんだな。」
「ですがここでの生活は良いものです。それに…。」
そう言ってクレハはそのまま寝ている早苗の隣に移動し笑顔でこう言った。
「私…早苗さんみたいな魂…好きなので。」
さっきクレハの説明で言われていないが、亜人の人達は皆何かしらの欠陥は持っているらしい。クレハの場合は恋愛対象は男女関係なくその人の持つ独特な魂や性格、体の一部が異質の人が好みらしい。
先日クレハとあった時の悲鳴は早苗含めた被害者の声だった。
一言で言うと変わった変人だ。
「…あ、そう、なんだ。」
「レンさんも良いですが…好みじゃないですね。フウさんは少し喧嘩してるイメージがあるので、人の恋愛感覚で言うともう少しねじ曲がったほうが私としては好きですよ。」
「なんだろう、この人の言葉凄く刺さるんですが。」
「自分は少し悲しい。」
二人が少し落ち込んでいるとげっそりとした泰智が帰ってきてその後ろにアリアがいた。
「あ、アリアさん。今日も来たんですね。早速お話しましょう。」
アリアが来た途端尻尾がピーンと立つ。
「そうですね。あ、旦那様も参加します?」
「遠慮しときます。」
「そうですか…では香奈さんが帰ってくるまで話しましょう。」
そのまま二人は寝ている早苗の隣でガールズトークをし始めた。泰智はそのまま床にへたり込む。
「どうした?」
「またこの街を見てみたいと言い出してそのまま歩き回った。アリアが吸血鬼だから傘差しながら歩いて更に疲れた。」
「どんまい。」
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