ブロドの過去
ゆっくり寝ていると、外から物音がし窓を開けると壁の隙間に捕まっていたブロドがいた。
「よ、無事お互い逃げれたみたいだな。」
そう言って部屋の中に入り適当に座る。
「お前らがあの場面で逃げなかったらもっと楽だったろうな。」
「まぁまぁ、敵を分散させてやったんだから感謝しろよ?」
ニヤニヤしながらブロドは言い窓に寄り添って外を見る。
「で、それを言う為に来たのか?」
警戒しながらふてぶてと話しかける。
「それもあるが最後にここに来たかったのもあってな。よくここまでしたな。」
「…どういうことだ?」
「祭りやってた次の日に申し訳程度の物資とお金置いてたんだが、俺街作れるほど置いていったっけ?」
「え、あれお前だったのか?」
「まぁ、良いや。」
「…なぁ、お前この村と何があったんだ?」
「俺は…元々とある国の兵士だった。」
ブロドが言うには自分はその国のやり方に気に入らなかった。毎月見知らぬ誰かが牢屋に入れられては働かされまともに食事も与えてもらえなかった。兵士であることを放棄し魔王軍に入った。目的はその国を滅ぼしために。入った直後大きな仕事を任されその時に深手を負いこの村で物資を頂こうとした。だがこの村の人達は見知らぬ自分に温かく迎えてくれた。
だが、その時に務めていた国の兵士達がやって来て村の人達を攫った。自分は近くにいた人と入れ変わり恩を返すために助けようとした。だが、家の下敷きになりどうする事もできなかった。
「で、その時に丁度お前らが現れたわけ。まぁ俺の身体がまさか別の方に行ってたとは最初思わなかったわ。」
「そうなのか。話に出ていたその国って。」
「おっと、もうこの辺にしとこう。元々俺らは敵だ。俺の独り言を聞いてくれてありがとうな。次合うときは敵だ。」
「…そうだな。」
蓮がそう言いブロドはフッと笑いそのまま窓から飛び降りた。蓮は静かに窓を閉めベットの上で横になった。
感想や評価、ブクマよろしくお願いします。




