危機
「もぉ〜!この城外見は前と一緒なのに中大分変わってる!」
以前に窓から飛び出た部屋に行こうとした早苗だが全く覚えの無い場所をずっと走っていた。
「このままだと追い付かれる。」
「もう、追い付いたよ。」
背後を見ると、顔に少し火傷したゴルが剣を持ちゆっくり歩いて来ていた。
「全く、俺の自慢の顔が台無しだよ。どうしてくれるの?」
「遂に本性表したね。これ、泰ちゃんがいうであろうセリフ。」
「泰ちゃん泰ちゃんって、いい加減うっとおしいな!パッと見あんな奴の何処か良いんだよ!」
「少なくとも私服は年中半袖短パンだけど貴方より格好良い!それに貴方よりずっっと優しい!」
「…ハァ、もう結婚とか良いや。前の姫さんもそうだが売っちまえば同じだもんな。」
「ドラちゃん!」
早苗はカードを投げ魔法陣が現れその中からドラゲリオンが早苗を背中に乗せ走り出す。
「早苗、このような狭い場所に呼ばれては少し制限されます。ですが、そのような文句も言えない状況ですね。」
「ごめんね、今は泰ちゃんに頼ることも出来ないから教えられたことした出来ないの。」
「その教えられたことは?」
「逃げて時間を稼げ、だよ。」
「なるほど。しかし、逃げるのは良いのですけど何処か外に出れる場所があれば何メートルだろうと脱出出来るのですが。」
「なら、もっと上に行こう!」
早苗とドラゲリオンは丁度いいタイミングで上に上がる横に広く中央が空いている螺旋階段を見つけ上に上にと上がっていく。中盤辺りで下を覗いてみると既にゴルが上り始め所々に何か置いていた。しばらくしてその置いたものは爆発していき螺旋階段は一部崩壊した。
「うわ、ドラちゃんいなかったら帰れないよ。」
「元より戻るのは無理だと。さて、そろそろ上り終えますよ。」
螺旋階段を上り終えるとそこはただの空間だった。窓一つなくただ広い空間だった。
「…すみません、素直に私が奴を倒すべきでした。」
「大丈夫だよ。ならあの真ん中から降りればなんとか。」
「なると思った?」
その声が聞こえた時にはドラゲリオンは斬られ乗っていた早苗は落下し強く腰を打つ。それと同時に腹部を蹴られ中央に飛ばされる。
「やっと追い付いたよ。あの馬か?普通のより早いな。まぁ、それより。」
ゴルは早苗に近付きグーで思い切り早苗の頬を殴り付ける。殴られた早苗はそのまま頭を強く床に打った。
「うっ、泰ちゃん。」
「お、そうだよもっと助けをこえよ。前の姫さんみたいに。あの時は最高だったよ!最初助けたあの顔を正体をバラして苦痛なめに合わしたときのあの顔は最高だったよ!」
ゴルは自分の昔話を早苗に聞かせ思い出し笑いをする。
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