近くにいたからこそ
少し時間は戻り、蓮と泰智が合流する5分前。
「ねぇ、泰ちゃん。城の中に入ったけど大丈夫なの?」
「大丈夫だ。今は何故か人がいないからな。」
二人は城の中に入っており、二階に上がる階段をゆっくり上がっていた。
「…なー、早苗。今こんな状況でこんな事を聞くのおかしいと思うけど俺の事どう思ってる?」
「どうしたの突然。」
「いいから。」
「…普通。」
「そっか。ならさ!」
「あ、泰ちゃん!あの剣貸してよ。ほらいつも使ってる。」
「え…あ、あの剣な分かった。危ないから振り回すなよ。」
泰智は背中に背負っていた剣を早苗に渡した。早苗は鞘から剣を少し抜き「ふんふん、ほーん。」など言ったあと返した。
「何がしたかったんだ?」
「手入れしてるなって。あ、私のお気に入りの人形あげるよ。」
早苗はこっそり召喚していた人形を泰智に渡した。
「あ、ありがとう。」
早苗が一番先に二階に着き振り返って立ち止まる。泰智も足を止め早苗の顔を見る。
「ねぇ、貴方誰?少なくとも私の知ってる泰ちゃんじゃないよ。」
「な、何言ってるんだ?俺は泰智だぞ?」
「最初ちょっとおかしいなと感じたから2つほど窯をかけたんだ。だって泰ちゃんの剣、私含めてみんな普通には持てないもん。それにその人形泰ちゃんが作ったものだよ?普通作った物をあげるなんて言ってありがとうはおかしんじゃない?」
「のほほんとしてたから騙せると思ったんだけどな。意外としっかりしてて驚いたよ。」
「で、貴方は?」
「昼に会ったゴルだよ。どう似てたかな?」
「ぜんっっぜん似てない!で、私をどうするの?」
「そりゃやる事は一つだよ。いや、昼の返事を聞いてなかったね。どう今からでも?」
「お断りします!マキちゃん!」
「はい!みんなせいれーつ!」
早苗の首筋からマキが現れ早苗の足元に無数の召喚陣が現れ武器を持った人形が無数に現れる。
「…ハハハ!それで俺に勝てるとでも!」
「第一の攻撃開始!」
マキがそう言いゴルが構えていると手に持っていた人形が爆発し階段をゴロゴロと下っていく。その隙に人形達はこの先に来れないよう階段を壊していく。
「マキちゃん頼むよ!…本当に大丈夫?」
「大丈夫です!本体の私はマスターの所にいますのでみんなもそうです。」
「ありがとうね。」
早苗はそのまま走り出し城の出口を探す。
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