救出班
前回の記憶を頼りに抜け道を使い城の地下に辿り着く。そこは以前とは変わっていて牢屋の柵がなく代わりに人が通るスペースが無いほど手や足に鎖が繋がれた人達が座っていた。座っていた人達は泰智達を見て何かを言う訳でもなくただじっと見ていた。
「なるほど、ワープしてもそのスペースが無かったら移動できないと。基本外にとんでるからな。」
「それより数が多いな。もし、移動魔法が無ければこの数は流石に無理だったな。時間がない早速だができるか?」
「…この数を飛ばす事はやったことはありませんが、魔力がある限りやります。場所は?」
「いつも半人の里でしばらく置いている。」
「分かりました。…ゴルって奴これ程の人達をどうする気だったんだ?」
「じゃあ私は奥の方に行って此処に移動してもらうよう行ってくる。」
「じゃあ拙者は見張りが来ないように時間を稼ごう。」
二人は別の方向に行き各々自分の役割を行う。一人になった泰智は一先ず近くの人に話しかける。
「大丈夫か?俺からだと鎖がどうなってるのか分からないから説明できるか?」
「き、君は一体何者なんだ?」
「ただの魔法剣士ですよ。それより鎖はどうなってる?」
「外そうとしても無理だ。鎖は地面に埋められその上に何か敷き詰められた。」
触って確認すると、何処かで触ったことのあるような感じがしたが何か思い出せない。更に薄暗く人がギュウギュウに敷き詰められているせいでそれを見ることも出来ない。
「鎖ごと飛ばすのは無理だな。仕方ないもう一人出番ですよ。」
影からもう一人の泰智が現れ少しだるそうにしていた。
「全く、考えてる事は分かった。けど、他に方法ないの?」
「考え立ち止まるより他の案を考えながら今出来ることだ。」
剣を取り出しそう言い鎖を斬り落としていく。いつものように振る事が出来ないので剣の先端で地道にやっていく。
影から現れた方は本を取り出し何かこの状況に良い能力が無いか探すが最近コピーしてないせいで良いのが無く同じく剣で斬り落としていく。
「斬れるが圧倒的に時間が足りねぇ。人手が欲しい。」
「いや、人手ならいる。あんた、種族は?」
「あ、亜人。聞いたこと無いかもしれないが分類としては人間だ。皆それぞれ何かに特化した種族だ。俺は力が普通の人間の男の四倍強い。」
「鎖引き千切れる?」
「可能…だと思う。」
「なら、一人でも助かるため手伝ってくれや。一人助けたら同じように手伝ってくれるように頼んでくれ。返事は?」
「分かった!!助かるのならあんたらに賭けよう!」
鎖斬り落としその男の肩を叩いて「頼むよ。」と言い別の鎖を斬り落としていく。その男も鎖を掴んで力を入れる。
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