港の酒場で一度
「俺らの世界だと選挙って静かなもんだよな。テレビでしか見たことないけど。」
「だな。それと、政治とか興味ない。」
「あ、みんな道開けて。さっき話してた立候補した貴族さんが通るらしいよ。」
「わざわざ道開けないといけないのか。日本と一緒だな。」
蓮達は隅に寄って道を開けると、派手なマントに宝石などを首や指に填めていかにも成金貴族のような見た目だった。その貴族がこちらを見ると近づいて来て言い放った。
「何処かで見かけた顔だと思ったら酒場にいた奴か。俺がこの国の王になるのを知って祝いに来たのか?」
謎のドヤ顔をしながら蓮に突っかかる。だが、蓮はどうしても思い出すことが出来ない。
「おい蓮、お前の知り合いか?」
「いや、違うと思う。」
「あー、思い出した。こいつ、思わせぶりな事言いつつ煽るだけ煽ったやつだ。」
「確かに、乗るって聞いておきながら乗せないとか言ってましたね。」
「…あー、そうだ思い出した。で、何か用?」
「いいや、特に何もない。むしろこの俺に覚えられてるだけでも光栄に。」
「そう言えば、宝を探し船を出してたが結局見つかったのでござるか?」
「え、いやその。」
「あ、もしかしてこれ?」
泰智はアームを操作し新聞を取り出し読み上げる。
「ブローノ王子は勝手に王国の兵を引き連れ例の噂の島にあるお宝を求め度に出たが、王子の身勝手な行動で船3隻転覆、自分は生き残り帰還。その後国を追放された。これ、あの島から帰った時に玄関に置いてあった新聞。もしかして貴方ブローノ王子ですか?。」
「あー、そろそろ行かないと!頑張って貧しい生活を楽しめよ!」
ブローノ王子と思われる貴族は顔を青くなりながら逃げる。
「…あの人を守る仕事だったんだけど…気まずい?」
「あー、可能なら辞退してぇな。もしくはもう一人の立候補者の方がいいかも。」
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