久しぶりの屋根で
その日の夜。蓮は一人で屋根に上がり寝転ぶ。そして、夜空を見ながら一人で考える。
「相手の記憶だけを無くす事なんてできるのか?でも、こころの記憶の鎖は外れた。なら、本当に?」
ブツブツ呟いていると誰か上ってくる音が聞こえ視線をそっちに向けると、前回以来全く見なかったギフティーが現れた。
「悩み事か?聞いてやるぞ?」
「しれっと友人みたいに言っても無理だからな。ていうか久しぶりにあんたを見たわ。」
「こっちは死者が来る度にお前らと同じことをしてるんじゃ!中々来ようと思っても無理なんだよ。」
「そうかい。
…なぁ、人間の特定の記憶を消すことってできるのか?」
「おいおい、ここは魔法が使える世界だぜ?そんなものいくらでも。」
「俺が言いたいのは、この世界の事じゃない。元いた世界の話だ。」
「…特定の記憶だけは無理だな。それで、それがどうか?」
「それは薄々分かってた。なら、あんたらが関与してたら?」
「…つまり?」
「前にあの人が言ってたが、この世界で死んだら低確率で転生できるんだろ?それより前の記憶は消えこの世界の住人になる。つまり、こころは俺らと同じあっちの人か?」
「…答えを急ぐなよ。まだお前らには時間があるじゃないか。」
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