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少し成長した王女様
「ミチ、今月のみんなのお給料渡した?」
何かの書類を見ながらミユが歩いて来た。書類に目を通していたので泰智と香奈がいることに気付いていなかった。
「昨日渡したわ。それより、少し休んだら?貴女はまだ子供よ?無理すると身体を壊すわ。」
「今まで、みんなから手助けされた分私が頑張って今度は私が助ける番にならないと。だから休んでいられないわ。」
「それもそうだが、妹やこの城の人達には心配をかけるなよ。」
泰智がそう言うと、やっと泰智と香奈がいることに気付く拍子に手に持っていた書類を落とし慌てる。
「い、いるなら早く言いなさい!」
「ほら、落としたわよ。」
香奈は落とした書類をミユに渡した。そのままその書類で口元を隠しジト目になっていた。
「王女様よ、あんたが倒れたら妹もそうだけど、ユミさんやミチさん、ここの人達が貴女を心配する。心配されない程度に頑張らないと怒られるぞ。」
「うん、その歳で国を動かすのは凄いけど倒れたら元も子もないよ。」
「…分かったわ。今日はもう切り上げるわ。」
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