その4
「おっじゃましまーす。」
「早苗、静かに。」
「お邪魔します。」
玄関のドアを開け、少し歩いてドアを開ける。
中は少し広く、イスが六個とデカイ机が一つあった。
「その辺適当に座っといてくれ。
今お茶を出す。」
そう言って隣のドアを開ける。
「あ、おかまいなく。」
「ミャ~。」
いすの下からシャマが出てきた。
「シャマ~、久しぶり‼
元気だった~?」
早苗はシャマを持ち上げ、
イスに座ると太股の上にシャマを置いて撫でる。
「相変わらず猫が好きなんだな。」
「まぁそれが早苗の可愛いところでもあるからな。
あんな幸せそうに撫でるの早苗ぐらいだろ。」
「えへへへ、もっとほめてもいいんだよ泰ちゃん。」
「ちょっと調子に乗るところが少しな。」
「そんなこと言って、
このこの‼」
「叩くな。」
「お待たせ。
君達はいつどこでも賑かだね。」
ウズルさんがお茶を持って 出てきた。
「それは同感です。
……それで何の用事ですか?」
「いや、実は頼み事があって。」
「またお使いですか?」
「いや、違うんだ。
実はこの村にはまだいない人がたくさんいるんだ。」
「偽キドさんが言ってたことですか?」
「ああ、実のところまだ居場所が特定出来ないんだ。
しかし、まだ私らにも出来ることがある。」
「それが俺達の頼み事ですか。」
「そうなんだが、それを含めてまだ三つもあるんだ。
一つ目は捕まった人を助けてくれ。
二つ目は村を少し発展さしてくれ。
三つ目はまた襲われないように撃退装置を作ってくれ。
無理にとは言わない。どうか頼み事を引き受けてくれないか?」
「俺達の力で良ければ。」
蓮は即答した。
「じゃあ頼むよ。」
「あのーウズルさん、俺を呼んだ理由は何ですか?」
泰智は正座をしながらウズルさんに聞く。
「実は君に聞きたい事があったんだ。」
「……何ですか?」
「君は、いや君達は一体どこの誰だ?」
「……。」
泰智は少し黙る。
「う、ウズルさん一体何を?」
「薄々気になっていたんだが、
いくらなんでも知らなすぎる。」
「何を知らないんですか?」
「影の一族のこと。
この世界には黒髪の人は100%その一族なんだ。
しかし一族ではない。
とすると一体どこの誰なんだ。という質問なんだ。」
「ウズルさん、あなたもう知ってるんでしょう。」
「た、泰智?」
「あなたはメイシャさんを知っている。
彼も黒髪だ。
当然おんなじ質問もしたんだろう。」
「つまり私は答えを知っていると?」
「あくまでも俺の考えです。
多分ウズルさんは確認したいだけですよね?」
「……そうだね、泰智君の言う通りだ。
君達の正体もきずいていたが確証がなかったからな。
……異世界人なんだろう?」
「まぁ、この世界の人達からみたら異世界人でしょうね。」
「良かったよ、影の一族じゃなくて。」
「そうですか。
じゃあ俺達はもういきます。」
「ああ、キドを頼むぞ。」
「はい。」
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