吸血鬼のお嬢様
一先ず全員を集めてアリアの話を聞くことにする。
「改めて自己紹介を。私はアリア・ムーアと申します。気軽にアリアで良いですよ。」
「どうも親切に。それで、アリアは何しに?」
蓮は泰智が逃げないよう首を掴みながら聞くと、アリアは少し顔を赤くし言った。
「その…未来の旦那様を迎えに。」
「…すいません、ちょっと何言ってるのか分かりません。」
「俺も何言ってるのか。」
「昨日…あんな大胆な事を平然と…それに、あんなに優しくされたら。」
頬に手を当て更に顔を赤くしながら話し始め聞いていた何人かは吊られて赤くなる。
「おい、お前が言ってる事違うけど?」
蓮は泰智の首を脇に挟み力強く抑え込む。
「いやー、俺事実しか言ってないんだけど。」
「あ、あの〜昨日泰智君と何が?」
「私を捕まえようとした人間達から逃げていると、旦那様が助けてくれたのです。それで…血を少し吸わせて貰いました。」
照れくさそうにアリアは言うと少しホッとしたがアリア自身に問題があるなと二人は思った。
「良かった、泰智君が変な事してなくて。」
「まぁ、疑われるような事をしてる奴が悪いわ。」
「ハッハッハッ‼また理不尽だなぁ。今回は普通にしただけなんですが?」
「ということだから、今回はアリアの勝手な思い込みという訳で。」
「何を言ってるんですか?私達吸血鬼にとっては口だろうが首だろうかどこからでも血を捧げたら眷属になる掟があるんです。そして、眷属になったなら自由に扱っていい掟もあります。ですので、私と旦那様はもう結婚したも同然です。」
突然そんな事を言われ二人は硬直する。しばらく動かなそうに思ったコウは変わりに話を進める。
「ちょっと何言ってるか分からないぞ。確かに吸血鬼に血を吸われたりした人間が自ら眷属になるのは事例があるが、今回はそう言った次元でもないしなってもないだろ?」
「血を吸わせてもらった時こっそり契約を済ませてもらいました。契約した時、少し体の力が抜けた感覚はありましたよね。」
「何勝手に契約してるの⁉」
「眷属ってなぁに?」
「俺で言ったら元部下の事だ。言い方を変えれば取り巻き、家臣みたいなものだ。」
早苗が疑問に思いレックスに聞くと少し苦笑いをしながら答えた。
「ほぇ〜。
で、式はいつ挙げるの?」
「お前はもう黙ってろ‼」
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