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吸血鬼
「あの、助けてくれでありがとうございます。」
「いや、大したことはしてない。じゃあ気をつけて帰れよ。」
「も、申しにくいんですが。」
「どうした?家の道分からないのか?」
「言えそうではなくその…少し血を分けてくれませんか?」
「どうして?」
「私、吸血鬼でさっきあの人達に傷付けられた羽を治癒するために人の血液が欲しいのです。」
「別に良いよ。」
「では、失礼して。」
吸血鬼の少女は泰智の肩を掴み首元に口を当て歯を食い込ませそのまま血を吸う。不思議と痛くはないが力が抜けることは感じ取れた。




