棟についての情報
月影の家に入り、畳の上で待っているとクミが泰智に向かい言った。
「おい、そろそろあの棟に行きたいんだが。」
「あー、そうでしたね。月影、悪いが俺らあの棟の近くに行きたいんだ。何か情報くれるか?」
月影は三人にお茶を出しこう言った。
「あの棟か?なら、今日は止めておいた方が安全だ。」
「それは何故だ?」
「今日は外の国の軍隊がその棟に行き登ろうとしてるが、正直無謀だ。」
月影は正座し改まって話す。
「無謀?あの棟は何かあるのとは思っていたが何がいるんだ?」
「あの棟は自然にできたものなんだが、この国を作った人が一夜に掘り迷宮にした棟だ。頂上にはその人が最後に打った剣が刺さってるって話なんだ。だが、頂上に竜が住み着いているんだ。とてもだが無理だ。」
「へー、そのまま一直線で飛んだりは出来ないのか?」
「昔誰かがあの棟をよじ登り喰われた。中に入って頂上を目指すしかない。
…あの棟に行って何をするんだ?」
「上る。」
クミがそう言うと、月影は止めようと必死になる。
「話を聞いていたでござるか⁉️あの棟には竜が。」
「大丈夫だろ。こっちにも竜はいるし。」
泰智は横に置いてある竜王を取り出し月影に見せる。
「…うーん、知り合った人をみすみす死なせに行かせるのはいかないし。分かった、なら拙者もあの棟に上る。戦える人が一人でもいた方が良いからな。」
「大丈夫なのか?弟妹を置いて。」
「先程も説明しましたが、いずれこの家を出ていく。弟妹達も強くなってほしい。その為にはこの月影、鬼になろう。」
「潔すぎて見習いたい。」
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