その22.5続
泰智パートです。
香奈とナッキーに別れたあと。
「いやー、囚人がいなさすぎだろ。」
泰智はそう言いながら歩く。
「……しかし、ここにいたのは間違いないな。
血がまだ新しい。」
泰智が考えていたが、
考えるのを諦めて再び捜索した。
少し歩くと、広いところに出た。
「以外と広いな。
……しかし人はいる。
しかも女子か。」
そこには、牢屋はなく真ん中に両手両足、
鎖で繋がれている髪の色がピンクで髪が長いの女子がいた。
近づいて脈や呼吸を調べる。
「呼吸が荒れてるな。
それに顔や足、手などが殴られたり叩かれた跡が残ってる。
どっからどう見ても拷問されてたな。
服もボロボロだし。
おーい、大丈夫か?」
返事がない。
「……結構ヤバイ状態だな。」
その時、アームが鳴る。
「香奈からか、
もしもし何です?」
「泰智君‼
キドさん見つかったよ‼
今来た道を戻ってるの‼」
「わかった。
俺もすぐにいく。」
泰智はそう言ってもう一回アームの下のボタンを押す。
「キドさんは見つかったか。
……どこの誰だか知らんがじゃあな。」
泰智はその場から立ち去ろうとしたが足が止まる。
「……確かにどこの誰だか知らんが、
こんな薄暗くて、こんな状態になってる人は見捨てれねーよ‼
しかも女の子を助けない男がどこにいる‼」
泰智はそう言って剣を取り出して鎖を斬る。
その瞬間突然警報が鳴り響く。
「……早く逃げるか。」
泰智は女の子をおんぶして走る。
「あ、そうだ。
蓮達はもう逃げたかな。
蓮は忙しそうだし早苗にかけるか。
いや、でもあいつ下のボタンのこと知らないしな。
……一様かけるか。」
泰智は下のボタンを押した。
コール音が五回ぐらい鳴った時にカチという音がした。
「早苗、早苗聞こえるか‼
聞こえるんだったら返事しろ‼」
「泰ちゃん、ちゃんと聞こえてるよ。」
早苗の声が聞こえる。
「繋がったか、
お前らすぐに逃げろ‼
警報装置に引っ掛かった‼」
「わかった‼
あと、そっちに王さま行ったよ。」
「情報ありがとう。
蓮に言っといてくれ。
宮殿から出たら、俺らが来た門で集合と。
じゃあ切る、」
「待って泰ちゃん‼」
「何だ⁉
早くいってくれ‼」
「……どうやって逃げればいい?」
泰智はすぐに切ろうとしたが、
それはそれでヤバイと思ったので切らなかった。
「……窓から飛び降りる。
来た道をすぐに戻る。
敵全員倒す。」
「それ全部出たけど、無理だよ。」
「じゃあ頑張れ。」
「無理だよ‼」
「早苗、替われ‼
泰智、そっちはどういう状況だ⁉」
「喋ってる余裕がない‼
お前らも早く逃げろ‼
俺はもう隠し通路の前だ‼」
「わかった。
気を付けろよ‼」
「そっちもな。」
泰智は下のボタンを押した。
「王様がこっちに来ると言ってたな。
……この女子がそんなに重要なのか?」
しばらく走っていると香奈達と別れた通路に出る。
曲がると前に香奈達がいた。
「おーい、香奈‼ナッキー‼」
その言葉で香奈とナッキーは後ろを見る。
「あ、兄貴‼
……後ろの人誰ですか⁉」
「泰智君‼
……その人誰?」
「今はいいから走れ‼」
「あとでじっくり聞くからね‼」
「いいなー、俺も女の子をおんぶしたい。」
「本音漏れてるぞ‼」
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