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俺達の冒険物語  作者: 梅松
フェンディル王国編
68/1019

その22.5続

泰智パートです。

香奈とナッキーに別れたあと。


「いやー、囚人がいなさすぎだろ。」


泰智はそう言いながら歩く。


「……しかし、ここにいたのは間違いないな。

血がまだ新しい。」


泰智が考えていたが、

考えるのを諦めて再び捜索した。

少し歩くと、広いところに出た。


「以外と広いな。

……しかし人はいる。

しかも女子か。」


そこには、牢屋はなく真ん中に両手両足、

鎖で繋がれている髪の色がピンクで髪が長いの女子がいた。

近づいて脈や呼吸を調べる。


「呼吸が荒れてるな。

それに顔や足、手などが殴られたり叩かれた跡が残ってる。

どっからどう見ても拷問されてたな。

服もボロボロだし。

おーい、大丈夫か?」


返事がない。


「……結構ヤバイ状態だな。」


その時、アームが鳴る。


「香奈からか、

もしもし何です?」


「泰智君‼

キドさん見つかったよ‼

今来た道を戻ってるの‼」


「わかった。

俺もすぐにいく。」


泰智はそう言ってもう一回アームの下のボタンを押す。


「キドさんは見つかったか。

……どこの誰だか知らんがじゃあな。」


泰智はその場から立ち去ろうとしたが足が止まる。


「……確かにどこの誰だか知らんが、

こんな薄暗くて、こんな状態になってる人は見捨てれねーよ‼

しかも女の子を助けない男がどこにいる‼」


泰智はそう言って剣を取り出して鎖を斬る。

その瞬間突然警報が鳴り響く。


「……早く逃げるか。」


泰智は女の子をおんぶして走る。


「あ、そうだ。

蓮達はもう逃げたかな。

蓮は忙しそうだし早苗にかけるか。

いや、でもあいつ下のボタンのこと知らないしな。

……一様かけるか。」


泰智は下のボタンを押した。

コール音が五回ぐらい鳴った時にカチという音がした。


「早苗、早苗聞こえるか‼

聞こえるんだったら返事しろ‼」


「泰ちゃん、ちゃんと聞こえてるよ。」


早苗の声が聞こえる。


「繋がったか、

お前らすぐに逃げろ‼

警報装置に引っ掛かった‼」


「わかった‼

あと、そっちに王さま行ったよ。」


「情報ありがとう。

蓮に言っといてくれ。

宮殿から出たら、俺らが来た門で集合と。

じゃあ切る、」


「待って泰ちゃん‼」


「何だ⁉

早くいってくれ‼」


「……どうやって逃げればいい?」


泰智はすぐに切ろうとしたが、

それはそれでヤバイと思ったので切らなかった。


「……窓から飛び降りる。

来た道をすぐに戻る。

敵全員倒す。」


「それ全部出たけど、無理だよ。」


「じゃあ頑張れ。」


「無理だよ‼」


「早苗、替われ‼

泰智、そっちはどういう状況だ⁉」


「喋ってる余裕がない‼

お前らも早く逃げろ‼

俺はもう隠し通路の前だ‼」


「わかった。

気を付けろよ‼」


「そっちもな。」


泰智は下のボタンを押した。


「王様がこっちに来ると言ってたな。

……この女子がそんなに重要なのか?」


しばらく走っていると香奈達と別れた通路に出る。

曲がると前に香奈達がいた。


「おーい、香奈‼ナッキー‼」


その言葉で香奈とナッキーは後ろを見る。


「あ、兄貴‼

……後ろの人誰ですか⁉」


「泰智君‼

……その人誰?」


「今はいいから走れ‼」


「あとでじっくり聞くからね‼」


「いいなー、俺も女の子をおんぶしたい。」


「本音漏れてるぞ‼」

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