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入ってきたときから既に
「えー、単刀直入に聞くけど、本を持ってきてくれたの?それとも人質を救いに?」
「人質を救いにだ。」
「ふーん。まぁ、禁忌の本は何があろうとも燃えたり水で滲んで読めなくなるなんて事は決してないから安心はできる。人質も正直意味はないと思い始めてきた。どうせ外で国の兵隊が張り付いてるだろうからね。」
「大人しく捕まる準備か?」
「いや、さっき面白いことを考え付いてね。俺のゲームに付き合ってくれ。」
敵の親分は何かを唱え始める。それを止めようとコウとフウは武器を瞬時に持ち、斬りかかるが、当たらなかった。まるで残像を斬ってるように感じた。
「実は、既に部屋に入ったときに固有結界に閉じ込めてたんだよね。それに、互いに見えてるようで存在はしない。この部屋に入ったときから既に全員バラバラになってたんだ。」
「面倒な事を。」
「では、迷宮の奥で待っとくとするよ。頑張って捕まえてくれ。」
部屋全体が光始め目も開けられず目を閉じた。しばらくして、目を開けると、うっすらとした空間が広がっていた。
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