その22
泰智、香奈パートです。
警報が鳴る少し前。
「おぉ、ここが宮殿の地下か。」
「ここに来るのも久しぶりだな。」
「何か、あんまりここに居たくないよ。」
「よし、時間もないし早く探すか。」
「で、泰智君。
キドさんの入ってる肉体の探し方は考えたの?」
「少し考えたら出たよ。
牢屋に入ってる人にキドさんですか?
と聞けばいける‼」
「それならいけるね。」
「この道の右に曲がれば牢屋がありますが、
そこからまた右や左に牢屋がありますぜ。」
「じゃあ二手に別れるか。
それなら時間もとらないだろ。」
「歩きながら決めましょう。」
泰智達は牢屋を見ながら歩き出した。
「二手に別れるといってもほぼ決まってるんだがな。
ナッキーと香奈は左の道に行ってくれ。」
「えっ?何で?」
「だって、俺と香奈だったらナッキーにどう知らせる?
このアーム以外に連絡手段はないぞ?
かといって香奈を一人にすると戦うときに結構不利だ。
そうなるとナッキーと組むしかないだろ?」
「そ、そうだけど。」
「香奈……嫌なのは分かる。
しかしな、これは安全な方法なんだ。」
泰智は、香奈を落ち着かせるように言った。
「香奈さん、もうあんなことはしません。
もう仲間じゃないですか?」
「ナッキーを信じろ。」
「そ、そこまで言うのなら。」
「よし、それじゃあ決まりだ。
しかし、不気味だな。
牢屋があるのに見張りがいないな。
あと、囚人もいない。」
「前は普通にいました。」
「確かに、いなすぎよね。
でも、私たちにとってこれは探しやすいよ。」
「そうだな。
おっと、ここから分かれ道か。
香奈、何かあったら下のボタンを押すんだ。
そしたら、連絡がとれるはずだ。
じゃあいくな。」
「泰智君‼」
「な、何だ?」
「……無事に戻ってきてね。」
「あたりまえだ。」
そう言いながら泰智は走っていった。
「……いい幼馴染みですね。」
「……はい。」
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