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美を求める
ユキが入場すると、真ん中当たりで待っていた男がユキを見る。
「…フム。」
「どうしたの?」
「いや、美しい女性だなとまじまじと見てしまった。私は人の美を探すのが趣味でね。」
「え~と、ありがとう?」
ユキは突然そんなことを言われて困惑しながら言った。
「それに比べ、ここの観客どもは華が無い。人の戦う所を見て何が良いのか?」
「うーん、なんか難しいね?」
「貴女は何故此処に?貴女のような女性が何故?」
「うーん、自分から入らせてって言った。困ってたから。貴方は?」
「私は、とある軍に入っており上からこの大会に出ろと。早く終わらせて人間の美をもっと追求したいのに。」
「そっか。じゃあお互い頑張ろう‼️」
「(また変なのがいるな。異世界って本当に面白い。)」
二人の会話を所々聞いていた泰智は、愛想笑いを浮かべた。
それと同時に、試合開始の合図がなった。
「そう言えば、名前は?私はユキだよ。」
「ローヌ…今はそう呼ばれております。」
「偽名なの?」
「また、会うときに話しましょう。今はこの戦いを終わらせましょう。」
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