その17
蓮、早苗パートです。
ドアを開くと、真ん中に豪華な椅子があった。それに一人の男が座っていた。
「こんにちは、私の名前はセイルーンだ。以後お見知りおきを。」
「は、初めまして、蓮ともうします。」
蓮は頭を下げて挨拶をする。シュリ達も一緒に頭を下げる。
「蓮か、いい名前だ。それはそうと、何のようかな?」
「実は、キドさんと言う人から手紙を渡してくれと。」
蓮はそう言って、王様に手紙を渡す。
「なに?キドだと⁉……それはどうも、感謝する。」
手紙を受け取って、読み始める。
「いえ、ではこれで失礼します。」
「いや、まて、……そこの三人の名前は?」
セイルーンは出ようとする蓮達を止めて名前を聞く。
「早苗だよ。」
「泰智です。」
「シュリです。」
蓮はシュリ達が次にどのようなことをするのか少し心配でヒヤヒヤする。
「……手紙だと、香奈とか言う人が来るはずでは?」
蓮は、シュリの方を見る。シュリは焦らずこう言った。
「すみません、実は僕は白咲香奈の兄です。」
蓮ははぁ?と言いそうになったが堪えて心の中で突っ込む。
「(いや、無理がある。それと何で香奈の苗字を知ってる⁉)」
「なるほど、ちなみにその妹さんも含めてこの国に五人で来たと?」
「(やべぇ‼その発想はなかった‼……それとこの王様少し馬鹿だな。)」
チラリとシュリの方に見る。
「いえ、僕は前からこの国に住んでます。昨日偶然妹とあってたんですが、階段から転けて強く頭を打ったので、かわりに僕がきたのです。」
シュリは慌てずゆっくりそう言った。
「なるほどそうだったのか。しつこく聞いて申し訳ない。」
「そうですか。では私達はこれで失礼します。」
シュリが早く終わらそうとしたがセイルーンに止められた。
「いや、待て待て。せっかく来てもらったのだからせめておもてなしを。」
やはりきたか。あの手紙を読んだから、殺す気なんだろうな。
早めに逃げた方がいいな。しかし王の間にある時計を見るとまだ数十分しかたっていない。あっち側ではまだ少し時間はかかるだろうしな。蓮は少し考えてあることを思いついた。
「いえ、実はこれから用事がありまして。」
「用事か、なるほど何の用事かな?」
「実はトランプの対戦を挑まれてまして。」
「なるほど、じゃあ少し肩慣らしとして、私と勝負しょう。」
「(掛かった。)」
蓮はそう思った。それと同時にどうしようと思った。
「とんでもありません‼こんな私なんかと。」
「いやいや、いいんだよ。私も暇だったし。そのかわり、私が勝ったら一つ願いを聞いてくれんかな?」
「いいですよ。私が勝ったら、すぐに帰りますがいいですか?」
「あぁいいぞ。ちなみに何のトランプのゲームかな?」
「ポーカーです。」
「じゃあ十回勝負でより勝った方がお互いの願いを聞くでいいかな?」
「はい、わかりました。じゃあ始めましょう。」
蓮は少し後悔した。自分がポーカー等のカードゲームが苦手なのに出任せを言ってしまったことを。
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