驚きの真実
霊獣に会ってから一週間位過ぎたある日。泰智と香奈はミチに新しい魔法を教わりに行っていた。
「今回はどんな魔法を知りたいのかしら?この本を参考にしたら良いわ。」
ミチは机の下に置いていた本を二人に置いた。その本は分厚く一ページに色々な魔法の記録が細かく書かれていた。
「う~ん、探すのに苦労する。」
眼鏡を掛けた泰智は本をパラパラとめくっていた。
「泰智君って眼鏡掛けるほど悪かったっけ?」
今眼鏡を掛けてることに気づいた香奈は泰智に聞くと、眼鏡を外して言った。
「小学校二年まで掛けてましたよ。今は裸眼ですがね。こんな細かい本の時は掛けますけどね。」
しばらく本を眺めていたが泰智は特に目ぼしい魔法が無くふとあることを思いだしミチに聞いてみることにした。
「あの、ミチさん。禁忌って知ってますか?」
紅茶を飲んでいたミチは禁忌の本と聞いた瞬間、思わず吹き出しそうになり慌てて口を押さえた。少し落ち着き、真剣な顔になり泰智の方を見る。
「……何処でその名前を?」
「知り合いの持っていた本を少し見させて貰って、神器と禁忌の事が書かれていてそれで気になって。」
「……まぁ、話しても良いけど。」
ミチは泰智の顔を見るなり少し気まずくなる。
「禁忌についてはどこまで知ってるの?」
ミチは紅茶を入れ二人に差し出す。
「世界を滅ぼしかねない物しか。」
「……本だけなら知ってるわ。」
「是非教えてください。」
ミチは小さく溜め息を漏らして説明する。
「……その本を読むと、禁忌の魔法が使えるの。その魔法は、世界を支配出来るほどの力、使う旅に代償が伴う。昔一ページだけ読んだけど恐ろしかったわ。」
「そんな危険な本、よく読もうと思いましたね。」
香奈は本を閉じて二人の話を聞いていた。
「恐ろしい内容だったわ。自分が自分で無くなりそうだった。でも、その中で三つ覚えたわ。」
「凄いですね‼どんな魔法だったんですか?」
「え、えっと。」
ミチは更に気まずくなった。
「お、怒らないでね?」
「まぁ、大抵の事は怒りません。」
「……その、貴方に渡したコピー&アップなんだけど、それが禁忌なの。」
それを聞いた泰智は紅茶を飲んでもう一回聞く。
「……何て?」
「渡した魔法、禁忌なの。」
「……うそーん。」
ハッハッハと笑い少し落ち込む。何かしらの代償が自分に来ることを考えると辛くなる。
「えっ⁉じゃあ泰智君に何かしらの代償がくるの⁉大丈夫なの⁉」
香奈は使っている本人より驚く。
「ストップ‼話は最後まで聞いて‼」
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