崩壊した村
「でも、何か変じゃない?」
香奈はそう言ったが、蓮の視力では確認できなかった。
「なー、泰智、早苗分かるか?」
だが、二人の返事は無かった。
「ん?泰智?早苗?」
後ろを見ると、二人の姿はなかった。
「おい、あいつらどこに行きやがった!」
すると、結構遠くから二人の姿が見えた。
「ごめーん、ちょっと寄り道してた。」
「すまんな、ちょっと寄り道してた。」
二人が同時に言うが、なぜか泰智の頭に三毛猫がいた。
「まず、はぐれたことは後でだ。その猫何なんだ?」
「あー、これ?さっき早苗とテイムしたら偶然なついた。」
「ニャー。」
三毛猫は、泰智に顔をグリグリとじゃれつく。
「イヤー、この三毛猫私のかわいいセンサーに反応したからつい。」
「かといって見捨てるわけにもいかなかったから。」
早苗は微笑ましい表情で言い、猫の頭を撫でながら泰智も言った。
「だからといって、無断ではぐれるな。もしモンスターがいたらどうするんだ?」
早苗はしょんぼりとした顔になり何か言い返そうとした。
「うぅー、だけど、」
「言い訳は聞かないぞ。」
「確かに何か一言いっとけばよかったな。とりあえずごめん。」
泰智は頭を下げて謝る。
「ハァー、それより村を見つけたからあそこに向かうぞ。」
「はーい。」
「わかった。」
二人は返事をして、再び歩きだした。しばらくして、やっと村についたが、村が崩壊していた。家は跡形もなく崩れていた。
「ひでーな。」
「どうしたのかしら?」
「こんなに崩壊しているところ、何かに襲われたのか?」
「何かって、何?」
「いや、わからないから何かにしてるんだよ。」
蓮と早苗は口論してると、
「ねー、ここに誰かいるよ!!」
香奈がでかい声で知らせる。
「えっ、どこだ!」
「ま、待ってよー」
蓮は直ぐに香奈の所に行き、後から早苗も追いかけてくる。
「どこだ?」
「ここ!!この家の下にいるよ!」
崩れた家の下に男性が意識を失って下敷きになっていた。
「くっ、重い…」
柱一本頑張って持ち上げるが、ピクリともしない。
「私、泰ちゃん呼んでくる‼」
それを見た早苗は泰智を探しに行った。
「くっ、にしても重い。柱一本持ち上げるだけでも大変だ。」
「泰ちゃん、こっちこっち!!」
「これは酷いな。」
泰智も一緒に持ち上げてやっと男性を救助できた。
「ハァー、ハァー、お、重かった。」
蓮は手をプラプラしながら座り込む。
「五人」
「はぁ?」
泰智が突然変なことを言う。
「さっき全部回ったがまだ五人が家の下敷きになってる。その時に早苗が来た。」
「えっ、」
「早くしないと全員助からない。」
「じゃあ…早くしないと‼」
「ついてきて案内する。」
蓮達はすぐに次の人を救助しに行く。さっきの人は早苗と香奈が安全な場所につれていった。そして泰智と蓮は、残っている五人の人達を救助した。
「手が凄く痛い。皮が向けそうだった。。」
蓮は、すぐそばにあった木にもたれかかった。
「大丈夫なのこの人達。」
「泰ちゃん、この人達助かるの?」
「うーん、医療道具があったら詳しく診れるけど、目立った外傷はないな。だが、ちゃんと生きてる事は保証する。」
脈や呼吸を確認して、生きていると分かり香奈は安心するが、まだ安心は出来なかった、
「そっか、まだ安心できないな。」
蓮はそう言うと、猫が蓮の膝に乗っかった。
「ニャー。」
「ハァー。」
蓮は少し疲れて猫と戯れていた。本当に俺のスキルはいつになったら役にたつんだ?
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