聖域と呼ばれる場所
それからというもの、何時間走ったのか分からないが、足と魔力の限界がもうすぐそこまで来ていた。たが、さっきまで攻撃が激しかったのに急に攻撃が止まり元の静かな森に戻った。
「ん?何だ?」
一瞬だけ後ろを見て前を振り向くと、マガザが枝から降りて止まっていた為足に強く力を入れて速度を落とした。
「どうしたんですか?」
「着いたぞ。ここが長のいる最深部だ。」
指差した先は物凄く光っていて見えない。
「やってですか。そろそろ降りろ。」
「もうこのままで良いじゃん。」
早苗はぐでーと背中にへばりながらそんなことを言う。
「いや、降りろよ。」
「へーい。」
早苗は、降りて軽く背伸びした。
「で、この先にいるの?」
「あぁ、まだ少し歩くがもう森は攻撃はしてこない。」
「なら、安心して行けるな。」
「じゃあ、行くぞ。」
マガザは前に行き先導する。その後を二人はついていく。
その先は光っていたが、足を踏み入れると、そこは広い平原だった。風は気持ちよく、咲いている花も気持ち良さそうだった。その先に、湖があり小さな小島みたいな所に光っている馬っぽいのがこちらを見ていた。早苗はその姿を見て確信した。昨日の夜に見たのと一緒だと。
「あれだよ‼先行ってくる‼」
早苗は、足元の花を踏まないように先に進む。
「へー、綺麗だな。それにここにいると落ち着くな。」
周りの景色を見ながらゆっくり進む泰智は、あることに気づいた。さっきの森が見当たらない。
「マガザさん、さっきの森消えましたけど?」
「ここはいわゆる聖域だ。長が入っても良いと思った物だけ入れるんだ。入り口はあの森。場所は不明。それゆえ見つからない。」
「何重構造だよ。」
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