その14
「で、でもあのキドさんが、
あ、あり得ないよ泰智君。」
「手紙の続きを見てみ?」
「え、え~と、
なお、そちらにいるこの体の持ち主も殺しておいてください。
え、どうゆうこと?」
「つまり体を入れ替わったのかもな。」
「そ、それなら助けないと‼」
「俺はもちろんその気だ。
だからナッキーよ、あの宮殿の裏口とか知らないか?」
「なるほど、事情はわかった。
裏口はあるにはあるが、少し泳ぐぞ?」
「ふ、水泳部の実力なめるな。」
「元水泳部だろ?」
「三ヶ月前はまだやってた。」
「目をそらすなよ。」
「話を戻すが、俺が考えた作戦だとお前らの協力が必要なんだ。」
「わかった。協力する。
しかし、条件がある。」
「な、なんだ?」
そう言って、ナッキーとエリが土下座をして言う。
「俺達をパーティーに入れてください‼
お願いしますぅぅぅ‼」
「俺からもお願いだ。入れてくれ‼」
「お前らアホか‼」
「シュリ‼止めないでくれ‼
ここで止めたら俺は死を選ぶ‼
もうこんなチャンスは二度とないかもしれない‼
だって……だってよ……。
俺はこの世界に来て初めてこんな美人さん達に会えた時点でもう運命としか思えない‼
ここで入らなきゃ、一生後悔する気がする‼」
「そ、それは、」
「ん?お前らこの世界に来たって、言ったよな?
……もしかして、日本人?」
「え、お前らも日本人?」
「そうだけど?」
「……シュリ、やはりこれは運命としか思えない‼
日本人でこんな美人がおるんだ‼
もうこれは、」
「わかった‼わかった‼
……すまないが、俺達をパーティーに入れてくれないか?
こいつらの面倒は俺が見る。
だからこの通り。」
シュリはそう言って頭を下げる。
「……泰ちゃん、こんなにお願いしてるしいいんじゃないかな?」
「まー、まだ日本人だからまだセーフかな?
……蓮はどう思う?
俺は別にどっちでもいいぜ。」
「う~ん、話を聞くと、こいつらの願望が多い気がする。
……別にいいよ。入っても。
でも、こいつらに変なことをしないことが守れるのなら。」
「守る‼守るから入れてくれ‼」
「じゃあ入ってもいいよ。」
「ありがとうございます‼」
「じゃあ、そういうわけで、裏口を教えてくれ。」
「わかりました。蓮の旦那‼」
「おい、おおげさだぞ。」
「シュリ、これは俺らが好きに呼んでるだけだ。」
「もう、どうでもいいや。」
「蓮ちゃんが考えるのをやめた‼」
「と言うわけで蓮の旦那‼
何なりと。」
「いや、作戦は泰智が考えてるから、」
「……上手くいくかわからんが。」
「兄貴、俺たちにできることなら何なりと‼」
「兄貴って、まぁ学校でも呼ばれてたからいいけど。
とりあえず、二グループに別れるか。」
「失礼するわよ。」
そう言って、おねぇが入ってくる。
「話は聞いたわ。
私も混ぜて。」
「いいですけど、
おねえに聞きたいことがあるんだが、」
「スリーサイズ?」
「いや、違う。
メイシャさんも日本人ですか?」
「そうよ、ちなみによっちゃんもよ。」
「やっぱりですか。
では、明日この作戦を結構する。」
「いや、説明しろよ。」
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