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瓦礫渡り
「……階段無いのか。」
階段が無いことに、泰智は溜め息をつき天井を見上げた。瓦礫は降り続け何時埋もれてもおかしくはなかった。
だが、一瞬あることが頭に浮かんだ。
「……落ちてくる瓦礫を足場に飛べば良いんじゃね⁉」
そのぶっとんだ発想を直ぐに実行に移す。想像では落ちてくる瓦礫に飛び移り直ぐに高い瓦礫を飛び移りの繰り返し。それを泰智はやろうとしていた。
「しゃあ行くぞ‼」
先に落ちてきた瓦礫の山に登り少しでも高く飛ぼうとしていた。そして、いざ瓦礫に目掛けてジャンプをするが、素のジャンプだと本当にギリギリ渡れるぐらいだった。一回でもミスをすると、もうこれをするのは無理だと理解できた。
「しんどいな。たとえ二人を抱えていると言っても素でこれは無茶だったか?……念の為に人形五体置いておくか。」
瓦礫の上を渡りながら人形を一体置き間隔をずらして置いていく。
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