突然の症状
ホロウの鎌は宙を舞い、一瞬の隙ができた。そこをクミは逃さず鋭い一撃をホロウに喰らわせた。
「終わりよ。」
クミは剣を鞘に仕舞うと同時にホロウは倒れた。
「……何だろう。勝ったのにこんなスッキリしない勝ちは。」
「大丈夫ですかクミさん。」
「あぁ、大丈夫だ。さて、もう行くぞ。」
「あ、待ってください。」
泰智はホロウの近づき傷を見てみると、肩に深く傷ついていたが、今ある道具で治療できそうだった。
「良し、まだ間に合う。」
泰智は道具を取り出すと、背後からクミが剣を突きつけていた。
「……何使用としている。」
「傷を治そうと。」
「さっきまで敵だった奴を助けるのか?」
「正直、俺はこの人を敵だとは思っていません。戦いはしましたが、それだけで放置は良くないと思っています。」
「……なら、お前が言ってきた命令権を使わせてもらう。見捨てて行くぞ。」
「……その命令は無効です。俺ができる範囲の願いじゃないと無理です。」
「……勝手にしろ。」
クミはその場を立ち去ろうとしたが、急に足が震えだした。そして、目から涙が流れ始める。
「……何だ?急に?」
手で涙を拭いても流れ続ける。泰智は、急いでホロウの手当てを済ませてクミのそばによる。
「だ、大丈夫?」
「……わ、私は。」
クミは、その場に座り込み呆然と何処かを見始める。どうすれば良いのか内心で慌てる。
「……う~ん。あ、あの方法を使うか。」
泰智は、クミの手を握り「わっちはここにいるよー。」と優しくおっとりしながらそう言い聞かせる。そして、頭を優しくポンポンしながらもそう言った。
「……もう、失いたくない。」
クミは、しばらくそう繰り返し言っていた。こんな状態のクミを見るのは初めてだった。
「(やっぱり過去に何かあったんだな。)」
泰智は、クミを取り合えず背負いホロウをお姫さま抱っこし出口を探し始める。だが、上から小さな瓦礫が降り始めて天井を見上げると、天井に沢山の切れ目が入っており次々と瓦礫が降り始めた。
「うっそーん‼」
泰智は、急いで出口を探し走り始めるが、流石に二人を運んでいるので瓦礫の雨から中々逃げられない。
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