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ホロウ戦
再び扉を少し開いて、中を確認するとさっきいたはずのホロウはいなくなっていた。念のため背後を警戒しながら中に入ると、暗い部屋が急に明るくなった。明るくなった城の中は外見と同じく少し古くなっておりいつ崩れてもおかしくはなかった。最初に目が入ったのは、真ん中あたりに階段があり、上りきったところにホロウが立っていた。
「久しぶり。二人とも。」
微笑みながらそう言うと、左手の指で小さくなぞる。すると、小さな亀裂ができそこに手を突っ込んで前回見た鎌を取り出した。
「で、ちゃんと戦えるようになった?」
ホロウは鎌を回しながらいたずらっぽく笑った。
「おかげさまで。」
「そう。それは良かった。ここに来たってことは覚悟はできたってことかしら?」
「当たり前だ。」
クミは剣を取り出し戦闘態勢に入る。
「二週間前とは顔つきが変わったわね。」
ホロウは高く飛びあがり二人の真ん前に着地する。
「なら、手加減なしよ!!」
ホロウの目つきは完全に戦闘するような目になる。
「望むところよ。」
「おー。」
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