黒き疾風
泰智は、更にスピードを出せることで、少し自信が沸きこの街の出口を目指して攻撃を避けながら運転をする。
「クミさん、この街の出口までルート教えてくれませんか?逃げてばっかだったんで道覚えるのすっかり忘れてました。」
「次左だ。そこを直進して右に曲がり真っ直ぐいくと出口だ。」
「ありがとうクミさんは」
泰智は、クミの言ったルートを辿りこの街の出口に向かうが、出口を塞ぐように、デカい盾を張った人らが縦横に数十人いた。このバイクを力ずくで止める気らしい。
「……諦めて迂回する時間もないな。」
クミが後ろを見ると、全ての曲がり角に何人かが通さないように防壁を張っていた。
「どうするつもりだ?」
「……一度やってみたかったんだ。クミさん、スピード出しますので掴まっててくださいよ。」
泰智は、ネットで少し見たウイリーをしようとしたが、そもそも実際にどうやってやっているのか分からず少し焦りだす。後数秒でぶつかり、事故を起こし無事では済まないことが頭によぎる。それを防ぐために駄目もとで左ハンドルのアクセルを回す。あまりにも早すぎたため車体が四十度くらい上がる。そのおかげで、ウイリーができた。その勢いで、一部の盾の人らを踏み台にしてジャンプする。
それと同時に、夜空の月明かりがバイクを照らし、さながら空を走っているように見えた。
「すっげ~。」
「…すごいな、見る角度によっては私達はどう見えてるんだろうな。それより着地は大丈夫なのか?」
「考えてません。」
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