追跡者
「さて、行きましょうか。」
「そうだな。と、言いたいが。」
クミは、溜め息を吐いた後、近くの路地裏の方に顔を向ける。
すると、その路地裏から三人の厳つい男が現れ違う路地から数人、また路地から数人と二十人ぐらいの男らが二人を取り囲んだ。
「クミさん。この状況どうします?」
「知らないわよ。」
二人は、めんどくさそうに思っていると一人の男が二人の前に現れた。その男を見た瞬間、こいつらのボスだなと一瞬で分かるぐらいの容姿だった。その男が二人に言った。
「なぁ、あんちゃんよ。そこの奇妙なの大人しく渡してくれないか?大人しく渡してくれたらなにもしない。渡さないんだったら。」
「クミさん。俺人生で初めて恐喝にあった。」
泰智は笑いながらクミに言うと、クミも少し浅く笑いながら「偶然だ。私もだ。」と言った。
男は、自分を無視されたことで少しキレそうになっている。
「おい、クソガキ‼聞こえてるのか⁉大人しく渡せと言っているんだ。」
「おっさん、かまってちゃんか?そういうのは早苗だけで充分です。それとうるさい。」
泰智の発言に更に怒りが混み上がり目に力が入る。
「そうかそうか。なら」
「どうせ死んでもらうだろ?いいよそういうの。飽きた。」
泰智は手で
「こいつの先読みするの怖いな。」
「話が早くて助かるわ。死ね。」
男が拳を握り泰智に殴ろうとするが、左手でその拳を剃らし転けさせる。
「よし、逃げよう‼」
泰智はそう言ってバイクに乗る。クミもそれを予想して同時にバイクに乗った。そして、右ハンドルを全力で捻りバイクは動き始めた。
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