裏の仕事
ドアをノックして入ると、壁や机に色々な道具が置いてあった。そして、店の奥には椅子に座っている人がひとりいた。
「らっしゃーい。」
椅子に座っている男性はこちらをじーっと見てそう言った。
「マスターはいるか?」
クミがそう言うと男性は椅子を座り直し改まって言った。
「……失礼ですが、合言葉は?」
「アウトサイダー。」
「奥の方で待っていてください。すぐに店主がくると思います。」
男性は椅子から立ち上がり二人に奥に行くように言った。
「よし、行くぞ。」
「今はその事については聞かないで置いとく。」
二人は奥に進むと机と椅子だけが置かれた部屋だった。二人は椅子には座らず店主が来るのを待つ。
数分ぐらいすると四十代後半の灰色の髪の毛の男性が現れ「久しぶりだなクミ。とりあえず適当に座ってくれ。」と言った。そう言われ。泰智はクミの椅子をしれっと引きその後に自分の椅子を引いて座る。
「久しぶりだな。」
クミはそう言った後に座った。
「で、今回はどんな用事だ?」
「前に渡した奴を取りに来た。」
「そろそろだと思ったよ。だが、複雑な構造でまだ完璧に直ってない。後一週間ほどで直る。」
「分かった。それまで待つ。」
「…それより、隣の人は誰だ?村にいた時は見たこともない顔だが?」
「こいつは生き残りではない。ただの人間だ。」
「はは、相変わらず人の名前は言わないんだな。」
男は浅く笑うと泰智の方に向き「俺は、アテノだ。クミと同じ影の一族の生き残りだ。」手を目に出して握手を求める。
「あ、泰智と言います。」
泰智はアテノと握手をした。そこでアテノは二人の手が拘束されていることに気づいた。
「何があったんだ?」
「少し厄介な相手と戦っていた。これからリベンジに行くところだ。」
「なるほど分かった。そう言えば、お前ら今夜の宿は?」
「特に決めてないです。」
「なら、ここの家を使ってくれ。俺は村の方もう一軒自宅があるからそこで寝る。後クミから預かってる物もあるからそこで修理しなくちゃ無理だ。それにしばらく修理屋は休業だ。」
「何故なんですか?」
「あぁ、それは。」
アテノは髪の毛を少し触ると灰色君が黒くなっていった。
「多分クミから色々聞いていると思うが、俺達は世間からは悪者扱いだからな。特殊な染料を使って色を変えているんだ。だが、色を変えるのに一週間かかる。それに色を変えても一か月で落ちるんだ。だから、月一に一週間の休みを取るんだ。」
「そうだったんですか。じゃあ、あそこに座ってる人は?」
「あぁ、俺の息子だ。色々話したいが今日はもう遅いしまた後日な。」
「そうだ。私はもう疲れた。トイレ貸してもらうぞ。」
クミがそう言うと手錠が外れた。そのままトイレに向かった。
「全く、本当にめんどくさいことをしてくれた。」
「タイチ君。」
「はい?」
アテノは頭を下げて「どうか、クミをこの先もよろしく頼む。」と予想外な事を言ってきて一瞬戸惑う。
「あ、あの突然何を?」
「クミの昔のある出来事で仲間は作らなし信用もしない。普段のクミならさっきの手錠自分の腕を斬っていたはずだ。」
「この人凄いな。本当に斬ろうとしていてびっくりしたですよ。」
「これだけは約束してくれないか?クミを守ってくれ。」
「それってどうゆうこ。」
「何の話をしている?」
アテノから詳しく聞こうとしたが、丁度クミが戻ってきた。
「じゃあまた一週間後。」
「あ、あの話が。」
アテノは息子と一緒に裏口から外に出た。
「……何の話をしてたんだ?」
クミはそう言いながら泰智に近づくと再び手錠が現れ繋がった。
「よ、よく分からなかった。」
何が言いたかったのか分からなかったが、とりあえず約束は守ることにした。
「そうか。それと私は今日はどっと疲れたから寝る。」
「じゃあ俺も寝よ。」
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