一族の秘密
「何故知りたい?」
クミは膝を抱えながら泰智の方を向き不思議そうに思う。
「前にクミさん言ってたよね?影の一族は少し違うって。」
前に、エリュテーマ王国でクミが言ったことをうる覚えながら言うと、クミは少し考え言った。
「…まぁ、別に言って損することはないから言うか。その前に、お前はどこまで知ってる?」
「う~ん、話では暗殺一族しか。でも、それが事実という確信はないから信じてないけど。」
「…やはり、まだ世間は知らないのか。」
「何がですか?」
「私達の一族は十年前に滅んだ。」
クミの言ったことが一瞬理解できなかった。色々話が飛躍していて理解できない。
「あの、少し理解できないんですか。まず、クミさんの一族は何をしていたから話してくれますか?」
「分かった。
私の一族は、昔から王国の配下だった。仕事の内容は様々だった。内容は知らないけど、汚れ仕事だけはしていなかった。でも、ある日その王国の奴らが私達を抹殺した。私はその時違う用事でいなかったから生きた。」
今まで聞いた話と違っていて何が真実か分からないが、クミの話を信じることにした。
「なるほど、色々事情があるんですね。あれ?じゃ俺があったあいつらは?」
エリュテーマ王国でクミに出会う前に違う一族と会っていたためおかしいなと思い首をかしげる。
「数年前に、セイルーンという王が見たこともない技術で遺体に何かをして操り人形になった。」
その名前を聞いて泰智は頭を抱えた。
「うっわ、あいつ色々めんどくさいことしてくれたな。前の半人の里といいこころの件といい本当にめんどくさいことをしてくれた。」
ぶつぶつ呟いている泰智をクミは軽くデコピンをして話を戻す。
「私が確認できた生き残りは私を含めて六人だけ。その人らは各々旅をしたり違う国で店を開いていたから免れた。」
「そうでしたか。なら今までの情報は全て嘘か。」
おでこを抑えながら泰智は納得した。
「そうなる。さて、そろそろ行くぞ。」
「へーい。」
二人は立ち上がり、進むことにした。
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