二人の過去 アリス編
しばらく歩き回って川を探したが、中々見つからなかった。耳を澄まして音で探ろうとしても木が風で揺らぐ音しか聞こえない。テトとキョウヤは先の方に進み様子を見る。
「見つからない。」
蓮は本当にあるのかと疑問に思い始める。
「今はこれしか方法がないんだから頑張って探して。」
「……関係ないけどさ。アリスは七年前からあの訓練施設にいたんだろ?その頃の知り合いとかあそこにいたのか?」
「いたわよ。今もそこにいるわよ?」
アリスはキョウヤを指差して言った。蓮はえっと?と思い少し間を置いて驚いた。
「そんなに驚く?」
「ビックリした。意外だった。」
「まぁ、聞かれなかったしね。」
「ちょっと変なこと聞くけど、アリスってキョウヤの事どう思っているの?」
「……普通よ?前に一回付き合ったことあるけど今は特に何もないわ。」
アリスの意外な発言にまた蓮は驚いた。
「ちょ、嘘ぉ‼」
「これは本当に驚いても仕方ないわね。まぁ、五日位で別れたけど。」
「そ、それは何でだ?」
「あんまりそういうのは言いたくないんだが。」
「わ、悪い。」
蓮はアリスに謝る。
それと同時に、テトとキョウヤが戻ってきた。
「何の話をしていたの?」
「な、なんでもないよ。」
「それはそれとして、川探していたら森の出口見つけたよ!」
「よかった、少し心配になってたところだ。」
少し蓮はホッとした。
「本当にすまなかった。俺がしっかりしてれば。」
キョウヤは再び三人に謝った。よほど責任を感じているんだろう。
「それより、早く塔に行ってクリアしようぜ。」
「ですね。次からしっかりしてください。」
四人は周りを警戒しながら森の出口を目指した。
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