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俺達の冒険物語  作者: 梅松
ヒロ編
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アリスの優しさ

 一同は黙々と進んでいると、先に進んでいた班が何組か体育座りをしていて、顔を伏せていた。


「お前らどうした?」


「どうしたもこうしたも、あの教官やりやがった‼」


 一人の訓練兵が空に向けて叫んだ。思ったより遅く気づいたらしい。


「どうする?」


「う~ん、俺はテント直せるだけで食料とかの問題は無理だ。」


「アリスん、この近くに川とかないの?」


「もっと奥の方に行かないと川は無いわ。昔はあったんだけど何故か干からびたって話よ。」


「……みんなには悪いが先に進むしかないな。」


「少し罪悪感もあるが仕方ないな。」


「……でも、テントは直せるんでしょ?」


「そうだが?」


「ならせめてテントだけでも直してくれない?」


「……まぁ、俺は別にコウモリが来ない限り急ぐ必要は無いしな。少し時間が掛かるが良いか?」


 テトはオッケーと言ったが、キョウヤは少し考えて「まぁ、俺らのせいで亡くなるのは嫌だし俺も良いぞ。」と言った。

 蓮は早速みんなに袋に入ってるバラバラのテントの部品を出すように言った。みんなは「こんなガラクタあげるよ」と言った。蓮は少し急いでテントの部品を見る。見てて気づいたが、地図と同じようにテントも元々一つのを四つに分けていたことに気づいた。それを確認すると蓮は四つのパーツを瞬時に直していく。幸い外して各自の袋に入れていた為、蓮は紙飛行機を作るように組み立てた。

 それを見ていたみんなはすげえすげえ言っていた。黙々と組み立てて、三十分ですべてテントを元のテントに戻した。


「ふぅ~。完成。」


 蓮は手を伸ばし「畳むときは中にある真ん中の紐を引っ張ると簡単に畳める。」と簡単に説明した。

 蓮の意外な能力にみんなは蓮に思わず拍手をした。拍手をされて少し蓮は照れた。


「じゃあ後はみんな頑張ってね。」


 アリスはそう言って先に進んだ。蓮達も手を振って別れた。


「いやー、アリスん優しいね。」


「困ってる人がいたらお互い様よ。」


「ほどほどにしとけよ。」


「困ってる人か……。」


 蓮はアリスの言葉に不意に泰智を思い出した。泰智も同じことを言っていただろうなと思った。思い出したら少し首筋が痒くなってきて軽く首筋を掻くと、アームに軽く当たった。そして、思い出した。連絡機能があることを。


「どうしたの?」


「あ、少し考えていただけだ。」


 少し隙を見計らって泰智に連絡することを思い付いた。

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