遠征
次の日。アリス達の訓練兵達はいつも通りに教官を待っていると、いつもの教官と一人の男が現れる。
「えー、昨日聞いた通り今日から特別訓練を行う。その内容は遠征だ。」
あらかじめ聞いていた蓮達以外は全員驚く。教官は「遠征に必要な物はこちらで用意した。遠征の内容は正門で言うとしよう。各自早めに見るように。では、この男に荷物を貰い直ぐに正門の前に集合。解散だ‼」とだけを言い残して去る。
教官と一緒に来ていた人は「みんな、さっきの教官が遠征に必要な物を今から渡す。ついてきてくれ」と言って歩き出す。訓練兵は少し戸惑っていたが後を追った。ついていくとこの区の訓練兵分の少し大きい袋と鞘に入っている剣がが置かれていた。ここに誘導した人は「一人一つづつ持って行ってくれ。」とだけを言った。
皆、各々袋を取り中身を確認した。蓮達も中身を見る。中身は、水筒が二個と小型のナイフ、簡潔テントに地図と一般的な剣だけだった。しかし気になる点がいくつかあった。まず遠征だというのに食料がなかった。それと持った時から感じた。明らかに軽い。少し気になり水筒の中身を確認すると、中身がなかった。これを言おうとしたが、「みんな貰ったな。では、正門に集合だ。」と案内した男が言った。蓮はこれまでの経験上嫌な予感がした。
正門に移動すると、さっきの教官がすでにいたため、のんきに歩いていた人は急いで走る。
教官は、全員いることを確認すると「では、遠征の内容を説明する。」と」言い始める。一部の訓練兵は唾を飲み込んだ。
「遠征内容は、ここから東にある山に建っている塔を四人一組で攻略してもらう。」
東の山と聞いてみんな唖然とする。蓮は気になったが後で聞くことにした。
「だが、簡単に攻略させる気もないので少し考えた。」
蓮はバレないように周りを見ると、皆「最初のでもしんどいのにこれ以上難しくさせるなよ。」という表情が出ている。
「一番最初に上った組には、ご褒美が待っている。内容は秘密だが。」
それを聞いてみんな喜びやる気が上がった。
「では今から、メンバーを決めろ。五分でな。スタート。」
あっさりスタートと言ってみんな一瞬始まったのに気づかなかった。そして、ハッとし周りの人に声をかけ始める。蓮は「だ、誰かいないのか?」と辺りを見渡すと突然服が引っ張られ人ごみの外に出ると、アリス、キョウヤ、テトがいた。
「あれ、みんなどうしたの?」
蓮は心の中では何故引っ張られたのか分かっていたけど聞いてみた。
「言ったでしょ?面倒を見るって。」
「まぁ、この話を聞かされた時から考えていたんだけどな。」
「他の人とは上手くいかなそうでしょう?だから、親しい私達の方が安心できるでしょ?」
蓮は、この時本当にアリス達に出会えてよかったと感じた。
「ありがとう。みんな。」
お礼を言ったと同時に終わりの声が聞こえた。
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