ヒロの提案
「なんだよ‼」
蓮は今、ヒロに対して怒りの感情しかなかった。
「おーおー、怒ってるわ。手短に話すと少し時間あげるから修行してきな。」
「誰がそんなことを信じるか‼」
「まー待て蓮。」
ブースターの副作用でやっと動けるようになり泰智は立ち上がる。
「何、言ってるんだよ。今香奈達が小石に変えられたんだぞ‼お前は何とも思わないのかよ‼」
蓮は泰智の胸ぐらを掴んだ。それに対し泰智は溜め息を吐いた。
「蓮知ってるか?人間って怒ってる時思考が鈍るんだよ。自分は冷静と思っていても行動が単調になる。更に話を聞かない。今のお前に当てはまる。まず深呼吸しろ。そして話を聞け。後俺も許せないと思ってるよ。」
いつもらしくない泰智は蓮にそう言う。蓮は言われた通り一回深呼吸する。そしてヒロを睨む。
「タイチには感謝するよ。話を戻すけど二人には今から修行に行ってもらう。でも、お互い離ればなれで修行だけどね。時間はそうだな、小型のコウモリを君達に知らせに行くよ。コウモリが来たら後二週間しかないよってこと。オッケー?」
ヒロの意外な提案に蓮と泰智は頭の中が疑問だらけだった。
「何でそこまでするんだ?」
「実は俺ね~、強い奴と戦うのが好きなんだ。だからこうやって弱い奴を修行する時間を与えて強くなった奴と戦う。これが俺の人生の楽しみのひとつ。」
ヒロは満面の笑みでそう言った。蓮はその笑みにイラッとした。
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