一人目の負傷者
「嘗められてるな。」
コウは今にも攻撃しようとしたが、蓮が一旦引き止める。
「何するんですか?」
「一様言っておくが、危なくなったら逃げろよ。前回は何故か帰ったから生きてるが今回はそうはいかない。」
蓮は敵に聞こえないように話す。
「それよりさ。誰が香奈達を守るの?敵一人でもさすがに守りながら攻戦うのは少し無理があるぞ?」
確かに香奈達を戦わせるのはまだ無理がある。
「……出来れば逃げてほしいが隙を作るしかないな。」
「もう会議はおしまいですね。じゃあいきましょうか。」
フウはそういってヒロの方を向こうとしたが、ヒロは終わったのを見計らってフウの腰に抱きつきそのまま持ち上げて後頭部から叩きつける。とっさに反応してその動作の途中で短剣を取り出し、地面に突きつけ何とか頭を打たなくてすんだが、無理矢理止めに入ったので手首を痛めた。
「くっそ、あぶねぇがいてぇ。」
「て、てっめぇー‼」
コウはヒロに対し回し蹴りをしたが、わざと足を滑らして避ける。まだフウに抱きついたまま避けたのでフウの腰が変な方向に突然移動したため鈍い音がした。声に出ないほど痛みを感じ少し意識を失いかけた。
「さて、一人無力化と。」
ヒロはコウに攻撃される前に立ち上がり距離を取る。
「おーい、この指見えるか?見えなかったら軽く一回地面をノックしろ。」
泰智はフウに寄りかかり、意識があるかどうか確かめる。フウはゆっくりだがノックした。それを確認すると、「香奈さん、フウ頼みますよ。」と言って剣を取り出した。香奈は少し驚きつつ頷いた。
「これは本当にヤバイな。」
蓮の声が聞こえたのかヒロはニヤリとした顔をした。
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