ヒロの余裕
「ちょい待てよ‼お前の目的はその石だろ?もう用はないだろ⁉」
笑顔で殺すと言われてたまらず言い返すと、腕を組んで考えていった。
「理由があるとするならば、弱い敵でも今のうちに倒しとかないとそのうち厄介なことになるからかな。」
蓮は深く溜め息を吐き、ゆっくり武器を構えた。
「まぁ、こんなこと言われたら戦うしかないよね。タイチって人も戦わないのかい?」
「……さっきの理由、なーんか引っ掛かるな。腕を組んで考えるのは白々しい。」
泰智がそういうもヒロは動じなかった。内心は「言ってた通り面白いな」と思いつつヒロも剣を取り出した。その剣は至って普通の鉄の剣だった。
「普通……だな。」
「君達程度だったらこの剣で充分だよ。」
ヒロは余裕の表情を見せ蓮達に歩いていくが、歩くのを止めた。背後にはコウとフウが剣を突きだしていた。
「前の幹部もそうだったが、余裕そうだな。」
「それは同意だ。」
蓮は二人が来て少し安心したが、ヒロは突然こんなことを言ってきた。
「安心してたり、喋ってるところ悪いけどさ。」
「何だ?今更逃げるのか?」
コウがそう言うが、ヒロは首を横に振り空見上げていった。
「今からお前らを転送させるけど別に良いよね?」
その言葉に三人は少しヤバイと感じコウとフウは斬ろうとしたが、一瞬で風景が変わり何処かの洋風な城の中に移動していた。家にいたはずの香奈達も一緒に移動していた。ヒロは奥の方にある玉座に座って言った。
「何してるんだ?敵は座って待ってるのに攻撃しないのかい?」
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