その6.6
全員集合します。
「ほ、本当にこんなの受けてよかったの?」
香奈は不安そうに泰智に聞く。
「勝てばいいんだよ、勝てば。」
「負けたらどうするの?」
「心配するな、負けると分かってたら受けねーよ。」
泰智はそう言いながら、香奈の頭を撫でる。
「……しかし、ギャラリーが増えたな。
もしかしたら、蓮達がいるかもしれないからこの事を伝えといてくれ。」
「う、うんわかった。」
香奈はそう言って、ギャラリーの中に入って消えた。
「さてと、少しストレッチするか。」
そして、現在。
「……てな訳があったのよ。」
「なるほど、勝負を挑んだ泰智もそうだが、
その話を聞かないキチガイはどうしようもないな。」
「そうね、話を聞かないのはいけないわ。
……でも、そんな勝負を受けた泰ちゃんは素敵ね。」
「おネエは少し黙ってて。」
「あぁん。」
「でも、泰ちゃんが言ってるように勝てばいいじゃん‼」
「う~ん、確かにそうだが勝てるのか?」
「……泰ちゃんのレベルっていくつ?」
おねぇは突然そんなことを言う。
「確か、十三レベだったな。」
「この町にいる冒険者達は、普通に二十は越えているわ。」
「え、それじゃあおねぇは泰ちゃんが負けると言いたいの?」
「そうじゃないわ、ただ勝てる確率は低いと思うけど。
……多分武器なしだったら泰ちゃんが勝つと思うけど。
泰ちゃんと蓮ちゃん何かの武術習ってるでしょ。」
「よくわかりましたね。」
俺は少々驚きながら返事をする。
「私も武術はやっていたわ。
見ただけじゃ少し分からないけど抱きついたら絶対にわかるわ。」
「じゃあもしかして、あの抱きつきはわざと?」
「半分はそうだけど、
もう半分は抱きつきたかったから。」
「一瞬でも認めた俺が間違いだった。」
そんな会話をしていると、
突然物凄い音が鳴り響き、
少し揺れたあとに、
真ん中の広場にの下から機械が出てきた。
その機械が起動すると
広場のど真ん中に棒が刺さったあとに、
その棒を中心に広場を透明な線が囲う。
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