その15続
「おう、試しに張った罠にしては凄い威力だな。」
プトラは余裕綽々で罠に掛かったコウを見る。電流が流れ終わるとコウはフラフラになりながらも、プトラの前に立つ。
「惜しかったな。もう少しで焼け焦げるところだったよ。やっと攻撃が当たるぜ‼」
コウは剣を横に振るが、最小の動きで避け軽く突き飛ばした。
「まぁまぁ、そんな焦るな。それにしても、お前人間じゃないな?というかよく見たら羽が生えてる時点で人間ではないか。」
依然そこから動くことなく余裕の態度を見せる。強者ゆえの余裕だろうと四人は悟った。
「さすがに、今回は協力して倒さないといけないのかな?」
泰智の発言にコウとフウは互いに見て同時に言った。
「「こいつとは死んでも嫌だ‼」」
「お前らなこういうときは素直に協力しろよ。」
四人のグダグダに飽きたのか、プトラは呆れて言った。
「もうめんどくさいからさ、俺に一撃でも当てたら退いてやるよ。ハンデとしてここから動かないからさ。」
少し舐められたと感じた三人は三方向に別れ囲み隙を伺う。
「さすがの俺もあんな態度で舐められるのは許せないな。」
「さっきの借りは倍返しして返してやる‼」
「……一人足りないような。」
その一人は大量に作った雪玉を早苗に渡した。
「あれ?泰ちゃんは行かないの?」
「行きますけど、相手が何してくるのか分からないから少し様子みかな?長年ゲームしてると、そこだけ用心深くなるからね。そのお陰でテストは数学と理科以外駄目だったよ。」
泰智はハハハと笑った。少し呆れた香奈は。
「泰智君、帰ったら少し勉強したら?」
「それだけは勘弁してください。取り敢えず行ってきますわ。」
少し遅れて泰智もプトラを囲う。が、少し形の綺麗な石を見つけて拾った。三人は本当に大丈夫か心配した。
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