その13続
その日の夜。
「……うぅ、あっつい‼」
話し合いの結果、泰智とフウが一緒に寝て、蓮とコウが一緒に寝ることになった。最初は丁度良い暖かさだったが、段々と真夏の熱さになった。
「本当にこの能力どうにかならないのか?」
蓮はふと泰智の方を見ると、周りが少し凍っていた。その状況でも泰智は寝ていた。
「うわ、今後両方一緒に寝たくない。我慢して寝ないといけないのか。」
布団に戻り、窓の外の景色を見ながら寝ようとしたが、人影が通るのが見えた。更に雪を踏む音もする。サク……サクじゃなく、サクサクサクと何人かいる様子だった。
「……き、気のせいだよな?いや、前回も何の前触れもなしで襲撃あったような。」
一人でそう考えていると、足音が玄関に集まり静かになる。
「へ、下手に誰かを起こしたら突撃してくるよな?しかも家の中だから戦闘になったらヤバイぞ。取り敢えず静かにコウを起こすか。」
コウの体を軽く揺すると、蓮の方向に向き少し不機嫌そうな顔になる。
「緊急事態、玄関に敵がいるかもしれないから騒ぐな。」
「……りょうかい。」
コウはそう言い布団を被った。
「あ、あのコウさん?」
「寝さして。」
「冗談じゃないんです‼起きて一人では多分無理‼」
蓮はコウの布団を上げまた揺する。
「はいはい、分かりました。で、敵は玄関前なの?」
「さっき足音が玄関で止まったからいると思う。」
「……夜中で戦うのか。それはそれでめんどくさい。」
話し合っていると、フウが起き何事かとこっちを見る。小声で敵が来たと言うと、こっそり玄関の方を見る。
「……玄関の方で何かやってる。鍵は掛けたが強行突破することを考えたら、離れた方が良いですね。」
フウは玄関の様子を蓮達に言った。
「なら、全員そっと起こすか。香奈さーん、早苗こころ起きて。」
蓮は三人の布団を揺すると、早苗が一番に起き。
「あ、うん?あ、蓮ちゃんおはよう‼」
それはもう、外に聞こえる位大きな声だった。
「ば、馬鹿‼大声出すな‼」
それと同時に、玄関の方でガシャンと扉が壊れる音がした。
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