その11続
「さて、どうするか。」
蓮は雪山にもたれながら雪玉を作る。
「そうですね。被弾したらアウト何てルールも無いですし二人で特効して一人で守るって手もありですね。」
コウも雪玉を作り、蓮に渡す。
「それより、問題児何処行った?」
「それならそこで。」
「くらえー‼」
早苗は雪山から顔を出しむやみに雪玉を投げる。当然適当に投げてるため雪玉は変な方向に飛んでいく。そして、フウはそれをみて、早苗に投げ顔面に当たり倒れる。
「……うん、戦力外だな。」
雪山から少し覗いて改めて早苗は使えないと感じた。
「少し反則かも知れませんが、傷つけない程度なら武器や能力を使っても良いですよね?」
剣を取り出し火をつける。
「それ雪合戦じゃねぇよ‼」
「用はあの旗を取れば良いんですよね?どんな手を使っても?」
「いやルールはあまり詳しく書いてなかったけどそれ反則‼」
「あいつだけは……あいつにだけは‼」
コウの中の負けないというスイッチが入る。
「負けれないんだぁぁ‼」
コウは剣を構え相手に突っ込む。フウは出てきて雪玉を投げるが、剣のせいで雪玉が当たる前に溶ける。
「ちょ、ズルいぞ‼」
「勝てば良いのだ‼」
それを聞いてフウは泰智の方を向き。
「ですって、泰智さん。こちらもそれで行きましょう。」
「了解。」
泰智はフウの言葉を聞いて動き出す。泰智はコウに雪玉を投げるが当然溶ける。
「そんなじゃ止められぐはぁ‼」
コウはそのまま走ろうとしたが、突然雪が崩れ尻からVの字ではまる。
泰智はミチの所で習った土魔法の「地面操作」で地面の一部をくりぬいて落とし穴をあらかじめ作っており、フウの能力で雪が落ちないようにしておいていた。落ちないようにしていただけで、人が乗っかったら当然崩れる。そういう仕掛けを二人はしていた。そして、見事に落ちた。
「イエーイ‼ナイスです。泰智さん‼」
フウは泰智とハイタッチをする。
「まさか雪合戦で土魔法がこんな形で役に立つとは。いや、ほんとはこんなことに使ったら駄目なんだけどな。」
「……あれ‼俺一人だけ⁉」
「泰智さん、もはや敵は一人‼このままあいつに‼って何処見てるんですか?」
泰智が後ろを見ていたので一緒に見ると、コウが後少しの所まで上に上がっていた。
「何ぃぃ‼おのれまだ這い上がってくるか‼」
フウは慌てて戻り、能力で穴を埋めるが溶けていく。埋めては溶けての繰返し。
「……醜いな。」
「同感だ。」
蓮と泰智は互いに旗を同時に抜いた。
「さて、戻りますか。」
「だな。」
「たいちゃーん、待ってー‼」
二人は家に戻ろうとすると、早苗は起き上がり急いで二人を追いかけた。
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