その6.5
泰智、香奈パートです。
「あのー、それで何のようですか?」
香奈はおそるおそる聞いてみる。
「あ、あぁ、実は俺らのパーティーに入ってくれませんか?」
「す、すみません。もうパーティーに入ってます。」
「そ、そうですか。じゃあこれで。
……お前ら行くぞ。」
「あ、先にいっといて。
俺、お金落としちゃって。」
「実は俺も。」
「そうか?じゃあ先に宿に戻るわ。」
「うん、じゃあ。」
その人は商店街の方に行った。
「じゃあ私もこれで。」
香奈はすぐに立ち去ろうとしたが、
「お嬢さん。どうしてもパーティーに入ってくれないのか?」
「はい、そうですけど。」
「……ならば力ずくで入らせるのみだ‼」
「え、きゃぁ‼」
ナッキーはそう言って香奈の手を掴む。
「は、離してください‼」
「いやぁー、君みたいなかわいい子は今君が入ってる
パーティーには宝の持ち腐れだよ。
俺らのパーティーに入った方がいいよ。」
「おいおい、そのまま宿屋に連れていくなよ?」
「だ、誰か助けて‼」
香奈は必死に助けを呼ぶ。
そのとき、
「はいはい、すみませんねそこ通りますよ。」
いきなり視界にある男がいた。
香奈にとっては、安心する人だった。
「すまんなそこの兄ちゃん達。
香奈は俺らのパーティーだから。」
「誰だお前?」
「泰智だが?」
「た、泰智君‼?どうしてここに?」
「商店街の歩いてたらお前が囲まれてたからな。」
香奈は泰智が来たことで安心する。
「ふん、どこの馬の骨だが知らんが、
お前らのパーティーにはもったいないぜ。
だからもらう。OK?」
ナッキーの隣のやつが言う。
「はいはい、ワロスワロス。
じゃあ行くぞ香奈。」
「ちょっと待ちやがれ‼
誰が行っていいと言った‼」
「俺。他に文句ある?」
「あるわこのボケが‼」
「じゃあ何に?
手短に言って。」
「この俺とデュエルしろ‼」
ナッキーが言う。
「ごめん、俺カード持ってない。」
「泰智君、それちょっと違う。」
「だから、
俺とデュエルしろと言ってるだろ‼」
「あぁ、ごめん俺いつものデッキじゃあないと勝てない。」
「だから泰智君、それじゃあないって。」
「だから‼
デュエル‼決闘だよ‼」
ナッキーは痺れを切らして怒りながら言う。
「な~んだ、そう言えよ。
わからねーだろ。」
「ち、イライラするぜ。」
「落ち着けナッキー、
ほらこれでも見ろよ。」
ナッキーはある写真を見て落ち着く。
「ふー、落ち着いた。
じゃあ決闘するからお前らその女を賭けろ。」
「はぁ?何でそうなるんだよ。」
「俺らはこの国の秘密をひとつ話そう。」
「無視すんな‼それと賭けるものに差がありすぎだろ。」
「なお、これに拒否権はない。」
ナッキーは俺らの言葉を無視しながら話を続ける。
「どうするの泰智君?」
「拒否権がないから、結局やるしかないだろ。
それに、ちょっとこいつをぶち殺さないと気がすまない‼」
「それじゃあ広場にこい。」
俺と香奈はナッキーについていってこの町の広場にでた。
「じゃあここで決闘をする。」
ナッキーはそう言って俺に銃を渡す。
見たところ、海賊が使ってるような銃だった。
「これは?」
「デュエル開始の宣言の代わりだ。
それを空に、」
俺は説明を聞くのがめんどいのでさっさと、
空に向かって撃った。
撃った瞬間、赤色の煙が空にのぼる。
「……よし、じゃあ十分後に開始だ。
さよならでも言ってろ。」
そう言うとナッキーは少し遠くに移動した。
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