その8
その人影に近づくと、コウの能力で暖かくなってるはずなのに、段々寒くなる。
「おかしいな、少し寒くなってきた。」
「確かに、俺でも寒いと感じます。」
コウの声も少し震えていた。
「……一様聞くが泰智は?」
「田舎のばっちゃんち並みの寒さだな。だが、効かない。」
うん、馬鹿だと思いつつ、とあることを聞いてみた。
「時々思うんだが、お前人間か?」
「何処からどう見ても人間です。」
泰智は意味も無いのにどや顔をする。少し殴りたいと思った。
「良かったよ、神経がおかしくなってる以外わ。」
そんなやり取りをしていると、人だとハッキリ分かった。身長は170代、男性で体型も普通だが、この世界の人は髪の毛の色がやはり違う。
しかしおかしな点もあった。雪が少し激しいのに、服装は街の人達が着てるような平凡な服だった。それと、異世界の人特有の水色の髪の毛だった。大体この色で察しは着いた。
その男は、こちらに気づき、少し身構えた。
「す、すいません。あの~この近くに村ってありますか?」
その男は、身構えるのを止めだが、警戒はしていた。
「……何のようですか?」
「クロエって鬼の半人は知ってますか?」
クロエの名前を出したとたん、男は眉をピクッと動いた。
「……何故団長の名を?」
「実は、サーヤって言う人に伝言が。」
サーヤの名前も出すと、男は驚いた。
「俺の姉さんに伝言?」
「……ということは、お前半人なのか?」
「そうだ。団長の名前を知ってるんだったら大丈夫だな。
自己紹介が遅れたな、俺はフウだ。最近変なやからが多いので疑った。すまない。」
「あ、そうだったんですか。俺の名前は蓮だ。左にいる馬鹿が泰智で、一番後ろにいる馬鹿は早苗。右にいるのがコウと香奈。真ん前にいるのがこころだ。」
蓮は、フウにみんなの名前を言った。泰智と早苗がえーという顔を蓮に向けたが、無視して話を続ける。
「そうですか。え~と村でしたね。案内しますが……。そこの人は何故殺意を向けてるんだ?」
蓮は左を見ると、コウが少し敵意をむき出していた。その理由は分からないが、段々コウの周りが熱くなる。
「おい、そこのフウとやら。お前、雪を操る能力だろ?さっきから雪降ってたのお前のせいだろ?」
「そっちは炎を操る能力ですかね?貴方がいるせいでこっちは熱いんですが。」
「話を変えるな。俺は聞いているんだ。」
「そうですが?」
「ちょい待て‼コウお前はフウが雪を操ってる言ったが、何故操ってる事を分かったんだ⁉それとそれをした理由は?」
突然の出来事で何が何だかんだ分からない蓮は取り敢えず止めようとする。
「蓮さん、俺達はここに付いた瞬間雪が少し激しくなった。それは今もだが、こいつは暖かい服をしていない。多分こいつの親はどちらかが寒さに強い種族だ。泰智見たいに馬鹿だとしてもおかしい。ただそれだけだ。
さっき言ってた変なやからの為の防衛みたいなものでしょう。」
そういえばそうだ。コウの言った通り不思議な点がいくつもあった。
「おっと、そんな事をやっていたとしても証拠がない。そこまでは考えていなかったのですか?」
「泰智さん、そこら辺どうですか?」
絶賛、早苗とこころと一緒に雪玉を作っていたが、作業を止め、片目を閉じフウの目を見た。
「……悪気は無いみたい。まさか団長を知ってる人だったとは。と心の中でそう言ってます。」
そういえば前に、相手の能力をコピーできる能力で野狐の能力でコピーしてたんだっな。
「な⁉」
考えていたことを言われ、動揺する。
「だそうだが?」
コウがそう迫ると、蓮に向かって頭を一回下げた。
「……本当にすまないと思ってる。本当の事を言うと姉ちゃんの持ってる伝説の武器の在処の情報を盗んできた敵だと思い、能力を使った。」
「こちらもすまない。警戒してたとはいえコウも悪いやつじゃないんだ。」
フウとコウはお互いに睨み合い、嫌な予感がした。
「そうですか。でも、個人的に俺とコウは相性は最悪だ。」
「おっと奇遇だな。俺もお前とは仲良く出来なさそうだ。」
それと同時にフウの周りには雪は激しさを増していき、コウの周りは雪が勢い良く溶けていく。
蓮と香奈はさすがに危ないと感じ二人の範囲内にでる。
「「よろしいならば戦争だ‼」」
二人の喧嘩は始まった。薄々そんな気がしていた。
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