その54
一同は一旦クロエの家に戻り、
ジャガから話を聞くことにした。
「さて、今回里を襲ったり目的は何だ?
この際お前が何故出ていったのかは後回しだ。」
クロエは、真剣な顔でジャガに聞く。
「奴らは魔王を復活させるつもりらしい。」
それを聞いた蓮は、ギフティーと言ってたことと
全然違っていたことに気づいた。
不思議に思い、話に割り込んで聞いた。
「ちょっと待って。
魔王って前に倒されたのか?
今はいないのか?」
「知らないのか?一から説明すると、
魔王は昔、倒されてとある石や宝石に
手や足などのパーツを封印したんだ。
さっきの奴らは、生き残った幹部や残党の集団。
でも、最近は死んだ幹部が目撃されたと情報もある。」
蓮は大体の事を理解し、
泰智と天狐の持ってる石と宝石は、
魔王の一部だということも理解した。
「泰智……お前とんでもないものを拾ってくれたな。」
大きな溜め息を吐きながら言った。
「へー、道理で爆弾食らっても粉々に
ならなかったのが分かった。
……さっきの言い方だと封印された石達は後何個なの?」
石を上げながら見て、ふと思ったことを聞いてみた。
「それは分からないな。
少なくとも6個位じゃないかな。
両手、両足、胴体、頭で合計6個……かもしれないし。
間接ごとに封印されてるかも。」
少し気が遠くなりそうと思っていた所に、
クロエは立ち上がりジャガの前に立つ。
「それはそうとして。
今回のお前がしたことの処分を決めないとな。」
少し見ていると、色んな事を想像してしまい
どうすればいいのか分からなかった。
「ふっ、どんな罰でも俺はそれに匹敵するぐらい
色んな事をしてしまった。
どうぞ煮るなり焼くなり」
好きにしろと言いかけたところで、
クロエは頭にそっと手を起き優しい声で。
「なら、お前の罰は迷惑を掛けた奴ら全員に謝ることだ。
それから私達に正式に謝れそれだけだ。」
「だ、団長。」
その声に思わず蓮達は拍手しそうになったが、
次の瞬間、クロエは右拳を握り高く振り上げ。
「だが、お前が前に抜けた時のは別だ。
あの罰は拳骨一発だ‼」
「えっ⁉ちょっと待って‼」
高く振り上げた拳をさげジャガの頭に直撃し
ジャガは強烈な攻撃によりしばらく動かなくなった。
蓮達は俺らの感動を返せよと思いつつ、
クロエの怖さをあらためて実感した。
「痛そう。」
泰智は後半の話は聞いておらず、
突然拳骨していたことに驚いた。
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