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俺達の冒険物語  作者: 梅松
半人の里編
431/1019

その50続

「 確かに……私は少し我を忘れていましたね。

だが安心しろ、これから先は誰がくたばろうが関係ない‼」


 セイルーンはポケットから注射器を取り出し自分に打った。

しばらく様子を見ていると、目が黄色から赤に変わり、

髪の毛が白くなっていき、息が荒々しくなる。


「 ……おいおい、変身か?

正直言って微妙だな。

しかも注射器使って変身するのはどうかと思う。

……って言ってる場合じゃないな。」


「 さて、あの人間はどう戦うのか見させてもらう。

……ときどき言ってる独り言が理解できないな。」


 戦いが見えるようにコウは、

民家に登り、そこから二人の戦いを見ることにした。


「 ふぅ……ふぅ……。

待たせたな、この力ならお前を倒せる。

今の私は、魔王の幹部位と同等だ‼」


 少し落ち着き、憎い相手にそう言うと、

泰智は手を顎に当て、頭を軽く掻いた。


「 ……薬使って力を手に入れたのか。

落ちたな、王様がそんなんじゃ国は滅ぶぞ?

 後、どうでもイイケド何で魔王の手下に?」


 ふと思ったことを聞くと、

セイルーンは「何だそんなことか。」

と呆れたように語った。


「 俺にとっちゃ、もうあの国なんてどうでもいい‼

魔王様こそが、我々の願う世界を作ってくれる‼

 お前も、自分の望む世界が欲しいとか思ったことはないか⁉

私は、正直こんな世界滅べばいいと思った。

たがら私は着いていくことにした‼」


「 ……確かに世界がどうとか俺もどうでもいいな。

ただ……皆とゆっくり過ごす日常が好きだ。

それだけあれば俺は満足だ。」


「なら我々の‼」


「 俺が嫌うのは、自分は動かないのに

部下や仲間に押し付けたりする奴のしたに絶対に就かない‼

それと、仲間を大切にしない奴だ。

他にも色々あるが……悪いけど無理‼

 というわけで、魔王を倒す一歩として……お前を倒す。」


 内心では少し恥ずかしく思うが、

泰智は思ったことを全て言った。

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