その50続
「 確かに……私は少し我を忘れていましたね。
だが安心しろ、これから先は誰がくたばろうが関係ない‼」
セイルーンはポケットから注射器を取り出し自分に打った。
しばらく様子を見ていると、目が黄色から赤に変わり、
髪の毛が白くなっていき、息が荒々しくなる。
「 ……おいおい、変身か?
正直言って微妙だな。
しかも注射器使って変身するのはどうかと思う。
……って言ってる場合じゃないな。」
「 さて、あの人間はどう戦うのか見させてもらう。
……ときどき言ってる独り言が理解できないな。」
戦いが見えるようにコウは、
民家に登り、そこから二人の戦いを見ることにした。
「 ふぅ……ふぅ……。
待たせたな、この力ならお前を倒せる。
今の私は、魔王の幹部位と同等だ‼」
少し落ち着き、憎い相手にそう言うと、
泰智は手を顎に当て、頭を軽く掻いた。
「 ……薬使って力を手に入れたのか。
落ちたな、王様がそんなんじゃ国は滅ぶぞ?
後、どうでもイイケド何で魔王の手下に?」
ふと思ったことを聞くと、
セイルーンは「何だそんなことか。」
と呆れたように語った。
「 俺にとっちゃ、もうあの国なんてどうでもいい‼
魔王様こそが、我々の願う世界を作ってくれる‼
お前も、自分の望む世界が欲しいとか思ったことはないか⁉
私は、正直こんな世界滅べばいいと思った。
たがら私は着いていくことにした‼」
「 ……確かに世界がどうとか俺もどうでもいいな。
ただ……皆とゆっくり過ごす日常が好きだ。
それだけあれば俺は満足だ。」
「なら我々の‼」
「 俺が嫌うのは、自分は動かないのに
部下や仲間に押し付けたりする奴のしたに絶対に就かない‼
それと、仲間を大切にしない奴だ。
他にも色々あるが……悪いけど無理‼
というわけで、魔王を倒す一歩として……お前を倒す。」
内心では少し恥ずかしく思うが、
泰智は思ったことを全て言った。
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