その50
泰智は走りだしセイルーンにに斬りかかろうとするが、
その場から動かず、避けたり受け流す気配もなかった。
少しおかしいなと思い、腕を止め少し距離を取る。
「おや、どうしたんですか?
斬らないと何も始まりませんよ?」
「……何故、避けないか。
何故、そんな余裕があるのか。
そういや前に蓮が、サギから変な物を貰ったと言ってたな。
もしかして持ってる?」
泰智の推論に、セイルーンは少し驚きの表情を見せたが
直ぐに顔を戻し。
「た、だから何だと言うのかね⁉
そんなもの何処にもあるわけ無いでしょう⁉
例えあったとしても貴方に勝ち目は。」
「うわーい、懐に変な膨らみあると
思ったら藁人形がこんなたくさんあったよ。」
セイルーンが動揺して言っている間に、
歩いて近づき懐に入ってるものを全て持ち去った。
藁人形の数は、小さいのが20体程あり、
その内7体が燃えてたり斬られたりしていた。
「なるほど、こんな姑息な手を使ってたのか。
……覚悟は出来てるんだろうな?」
泰智は人形をストレージに仕舞うと、
セイルーンは突然狂ったように笑いだした
「ふ、フハハハハ‼
それで勝ったつもりか?
こっちには奥の手があるんだよ‼
そろそろ本気を出さねばな。
覚悟は出来てるんだろうな‼」
セイルーンがドヤ顔で言うが、
泰智は空に飛んでいく家をおおー、
と言いながら見ていて明らかに聞いてなかった。
「……舐められたものだ。
貴様だけは」
「簡単には殺さん……だろ?
もうそんな台詞、聞き飽きた。
もっと別の台詞用意しろ。
殺す殺すしか言えないのか能無しロリコン‼」
セイルーンが言う前に泰智はこれまでの経験から、
予測して先に台詞を言い、罵倒する。
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