その47
「何故……本気で斬らなかった⁉」
傷口を押さえてジャガは立ち上がる。
「弟だから斬らなかったのか?」
「そんな理由だったらお前は死んでたよ。
言ったろ、何故出ていったのか聞くためだ。
その後の処分は団長が決めるだろう。」
「そうかい。」
ジャガは近くの民家まで移動し座り込んだ。
「さて、私はこれからどうするか。」
「ユウナギさーん‼」
蓮と野狐が走りながらこちらに向かってきていた。
「お、そっちも終わったのか。」
「はい、お姉ちゃんも無事でなによりです。」
「それより、他の皆は?」
「団長が早苗達の方に行ってます。」
「となると後は三人か。
よし、私達はシュリ君だっけ?
そっちの方に行く、君は仲間の所に。」
「はい。
泰智大丈夫か?」
蓮は泰智と別れた場所に向かった。
「野狐……先に行っといてくれ。」
「わ、分かりました。」
野狐が見えなくなるのを確認すると
ジャガの方に行き隣に座る。
「……一人増えたのか。」
「あと一人いるぞ。」
「全く……この姉は次から次へと増やしやがって。」
「お前を含めて三人じゃないか。
別に多くないだろ?」
ユウナギは楽しそうにそう言った。
「そういうと問題じゃねーよ‼
……それで、その二人はあんたを姉と認めてるのか?」
「うん、野狐は少し恥ずかしがってたがな。
何でお前も野狐も恥ずかしがるんだ?」
「突然お姉ちゃんと呼べと言われて
恥ずかしがらない人なんかいるかよ。」
「……そういうものか。
じゃあ私は行くわ。
久しぶりに話せて良かったよ。」
「そうかい。」
ユウナギは野狐の後を追った。
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