その36続
「あ、あの香奈さん?」
「な、何?」
「さっきから全然前に進んでないんですが。
それと服の裾引っ張らないでください。」
「わ、分かってるけど怖いの‼」
10分位そんなやり取りを泰智と香奈はしていた。
「そんなハッキリ言わなくても。
あ、そういや昔田舎のばあちゃん家で夜、
外を見たら誰か立ってるのを思い出したな。」
「今言わなくてそんなの言わないで‼
た、泰智君何か緊張がほぐれるようなの無いの?」
「う~ん、じゃあ俺の頭見といてね。」
泰智はそういって頭に力を入れる。
香奈はじっと泰智の頭を見ていると
髪の毛が一瞬で腰まで伸び香奈は少し思考が停止した。
「どう香奈さん?
……香奈さん?」
「髪の毛長い人……テレビ……田舎……うぅー。」
香奈は立ったままぶつぶつと小声で怖い物関連を言った。
「だ、大丈夫ですか?
これはこれで可愛いけど。」
「真夜中の道路……井戸……墓地……もうやだ。」
「大丈夫だよ、お化けはいないよー。」
泰智は香奈を宥めようとして頭を撫でた。
「……最小から香奈を運んだ方が早いと思う。
うん、そうしよう。」
結局、泰智は思考停止中の香奈を
女子達が寝ている部屋に連れていって
男部屋に戻って壁に持たれて寝た。
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