その36
「ふー、さっぱりした。
静かに入れてよかった。」
香奈はお風呂から上がり替えの服を着ている時。
廊下の方からギシギシと誰かの歩く音が聞こえる。
「うん?誰かいるのかな?」
香奈はちらっと廊下の右の方を見るが誰もいなかった。
「……き、気のせいよね‼
お化けなんていないよね‼」
「いや、いるだろ。」
「そ、そんな寝も葉もない……だ、誰?」
香奈は左側の廊下を見るとフードを被った男が立っていた。
「い、いやぁぁぁ‼」
香奈は思わずその男の左頬目掛けてビンタをかました。
「痛ってぇぇ‼」
ビンタを食らった男は左頬を押さえてしゃがみこむ。
「香奈さん、俺だよ‼泰智だよ‼」
泰智は慌ててフードを外した。
「え、泰智……君?
何でここにいるの?」
「いやー、寝ていたら隣からおねぇがいましてね。
それで忍び歩きで抜けてきたら香奈さんがいたもんで。」
「も、もう‼こっちはお化けが出たかと思ったじゃない‼」
「ご、ごめんなさい。」
「もういい寝るね‼」
「だ、大丈夫ですか?
廊下物凄く暗いですけど。」
「大丈夫、心配してくれてありがとう。」
香奈は少し廊下を歩いているとキシという音にビックリし
急いで泰智の所に戻る。
「あ、戻ってきた。」
「や、やっぱりついてきて……くれる?」
「別に良いけど。」
泰智は香奈が寝ている女子部屋まで着いていく事になった。
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