プロローグ4
プロローグはこれでおしまいです。次は村復興編です。
その瞬間、全員の視線が俺を見る。誰かが最初に言えばその人のほうを見る。誰だってそうする。彼だってそうする。
「よろしい。では私の横に並べ。」
そうギフィティーが言うと、蓮はゆっくり歩いて横に並んだ。
「じゃ……俺も‼」
「お…俺も‼」
「私も‼」
次々と手が挙がっていく。しばらくして約三割の人が俺の隣や後ろに並んでいた。
「ふむ……こんなものか。では締め切る‼」
その瞬間、俺の目の前にいた人達は突然薄くなっていた。
「な、なんだよこれ!」
「私どうなるの⁉」
薄くなってる人達はパニックになる。
「落ち着け、いま君達は天使化してる最中だ。」
せめて一言ぐらい言ってもいいんじゃないのか?と思ったが黙っておく。
「それでは、君達をこれから天国に転送するぞ。」
ギフィティーがそう言うと、薄くなってた人達が一瞬で消えた。そして、ギフィティーはこちらを見ると、
「これから君達を異世界に転送する……と言いたいところだけど、それだとすぐに死ぬからな。」
確かに、何も持っていないからな。
「そう言う訳で、君達にアイテムやスキルを3つ与えよう。」
それはありがたい。いきなり詰むことは無くなった。
「ただし、この箱の中からしか駄目だ。もし不正行為をしたら地獄行きだ。」
それを聞いたら死んでもやらねーよ(もう死んでた)。
「では…まずそこのお前だ。ちょっとこっちこい。」
「えっ、僕?」
一番左の男を指差し、指名する。当然その男は自分に指を指し聞き返す。
「そうだお前だ。早くしろ。」
男はしぶしぶ箱の前に立つとすぐに手を箱に突っ込んだ。そして、手を引っ込めると男の手に三枚のカードが握られていた。
「読んでみろ。」
ギフィティーは言う。
「は……はい。えーと、剣の才能と鉄の剣、それに風の魔法?」
「ほう、風の魔法を引いたか。お前中々くじ運いいな。」
「あ、ありがとうございます。」
「このようにいいやつもあれば悪いやつもある。そこは、お前達の運次第だ。」
なるほど、これで不公平なしというわけか。
「よし、もういっていいぞ。次白い服のお前だ。」
「は…はい。」
こうして、次々と引いていく。中には、
「あ、あの…引き直しって、」
「勿論、無理」
何を引いたのだろ?
「次は…一ノ瀬こっちこい。」
「は…はい?」
俺は思った。なぜ俺だけ名前で?
「あの…何で俺だけ名前なんですか?」
「ん?あぁ覚えてたからな。」
他の人は覚えてないんだ。
「さぁ、とっとと引け。」
俺は、箱に手を突っ込んだ。カードを掻き回して奥と手前、さらに真ん中のカードを引いた。
「口にだして言ってみ。」
「えーとなになに、建築の才能と大工セット、さらに物作りの才能?」
一瞬俺は外れだと思ったが、
「お前、凄いな。まさか、物作りの才能引くとは。」
「えっ、そんなにすごいんですか?」
「あ、いや、次行く異世界でちょっと役にたつと言っておこう。まぁ、正直まぁ頑張れ。」
確かに、どんな異世界か聞いてなかった。
「後で一緒に説明したる。さぁ次…そこのお前。」
しばらくして、全員カードを引き終わって落ち着いた。
「さぁ、これから異世界に行く前に少し説明する。」
遂に説明がきたかと思い周りの人達は息を呑んだ。
「えー、まずは異世界では、まず9つの種族があるが、お前達には関係無い。」
何で?と言おうとしたが、
「何でかと言うと、お前らは人間固定だからだ。」
思ってたことをあっさり言われた。
「もし犬とか、猫だったら獸族だったが人間は人間のままだ。」
言いたいことはわかった。
「他には、この世界にも魔王はいる。
倒したら良いことあるかもな。
後は伝説の武器が12個あることだけかな?」
伝説の武器多すぎだろ。
「以上だな。後はおまけとしてこれをお前達にやる。」
その瞬間、みんなの手によくゲームとかにでてくる未来的眼鏡を、持っていた。
「それは、自分のステータスやスキルなどをみれる眼鏡だ。」
おお、すげぇ
「使い方は、装着したらわかる。それと、スキルについてたが、」
いや、先に説明してくれよ。
「スキルは使っていくうちに成長する。新しく追加するには、相手から教えてもらう必要がある。」
もうちょい説明をしてほしいが、機嫌を損ねたら駄目だからやめておいた。
「ん~心配だから四人一組のパーティー作って。」
これは本当にありがたい。
「では、十分間でパーティー作って。よーい…始め‼」
よし、なるべく戦闘ができる人がいいな。
「ん?あ、蓮ちゃーん」
誰だ?
「蓮ちゃん蓮ちゃんここだよー!」
声のする方に行くと、
「蓮ちゃん久しぶり!!」
「早苗?」
「そうだよ蓮ちゃん。」
「うぃっす、久しぶり」
「泰智?」
「蓮君お久しぶりです。」
「香奈?」
こいつらは幼稚園から中学校までいた幼なじみの、桜井早苗、城川泰智、白咲香奈。
早苗は、同じクラスの頃いつも元気でクラスのムードメーカーだ。
泰智は、学校によくいるゲーマーだ。
香奈は、とある会社のお嬢様だ。
「しかし、何で?お前らは卒業したあと全員バラバラに……」
「んーと、説明すると私は地震で家が崩壊して死んだらしい。」
「いや、揺れたらきずくだろ。」
「んーと、私っていっつもそんなのきずかないから…」
そうだった、こいつかなりの鈍感だった。
「ちなみに泰ちゃんの死因もそうだよ。」
忘れてた。こいつはかなりの鈍感で天然だった。
「あれ、じぁ香奈は?」
「私は、学校に行くときにリムジンの中で死んだらしい。」
「な、なるほど。」
その時、
「はい、終了!」
その声に会わせて、ジリリリリと音が聞こえてくる。
「はい、パーティーが作れたろうが、作れてなかろうが終わりー。」
もうそんな時間か。
「それでは、一斉に飛ばすぞ。」
その瞬間、ものすごい光が俺達を包む。
「それでは、よい人生を。
……まぁ、保証は無いがな。」
その言葉と同時に、俺は意識を失った。
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